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リサーチ主導のデザイン

COVID-19と、よりよく生きるためのアイデア

山崎みどり

デザイナーの活動領域は無限だ。アディダス、ナイキなどのアートディレクターを経て、現在は東京大学生産技術研究所に所属する山崎みどりさんがデザインと周辺領域の融合について解説する。

COVID-19と、よりよく生きるためのアイデア

日本中が静かなパニックを迎えていたあの時、部屋の外に出られずぼんやり外を見ていたら、自分の部屋が壊れた宇宙ステーションのように思えてきました。外に出たら命が危ない。でも食料が無くなってきた。いつまでここにいるの?不安になって、でもしまいには不安にも慣れてきて、この狭い部屋の中で工夫しながら意外と快適に暮らし始めた自分に少し驚きました。

COVID-19は、私たちに恐怖をもたらし世界の既成概念を根本から破壊してしまいました。でもポジティブに考えると、私たちの視点を変えて今後よりよく生きるためのアイデアをさまざまな分野において残していったと思うのです。しかし喉元を過ぎれば熱さを忘れてしまう私たち人間は、直接的な問題が収束するにつれそのアイデアを忘れてしまうかもしれません。

「Innovation Seeds List」はそんな考えを基に行ったプロジェクトです。東京大学生産技術研究所(IIS)DLX Design Labの「Design Thinking」を活用して、COVID-19に関する問題に対してコンセプト・アイデアを開発して総覧をつくり、直接的な問題解決だけでなく、今後のイノベーションを誘発するThought-starterとしても活用し、未来の研究に役立てることを目的としています。

プロセスとしては、IISの研究室に協力を得て、トレジャーハンティングと名付けている研究室へのヒアリング、そしてワークショップを行ってデザイナーと研究者でコンセプト・アイデアを出し合い...

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