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デザインの見方

「変わらない」パッケージ

内田喜基

大塚製薬「カロリーメイト(チーズ味)」

  • AD+D/細谷巖
  • T/深野匡(ライトパブリシティ)

パッケージが「変わらない」って、すごいことだと思うんです。1983年生まれ、大塚製薬の「カロリーメイト」のことです。アートディレクションとデザインはライトパブリシティ 細谷巖さん、タイポグラフィは深野匡さんによるもの。発売から今に至るまで、ロゴの微調整以外はパッケージデザインがほぼ変わらないといいます。

僕がカロリーメイトに出会ったのは、小学生の頃。当時サッカー部に所属していて、チームメイトが部活の時の栄養補給用に持ってきていました。感度の高い親御さんに持たされたような感じで。パッケージの鮮やかな黄色と、表面に書かれた英語。それと“バランス栄養食”という、鮮烈なコンセプト。もちろんその頃、デザインのこともブランディングのことも全くわかりませんでしたが、これはなんだろう?と心惹かれたのを覚えています。当時は今のようにコンビニも無いので、薬局で売っていたような気がします。お気に入りは(今もですが)フルーツ味でした。

それから約40年。時代は変わり、流行も変わり、小売の在り方も変わったのに、カロリーメイトのパッケージはほぼそのまま。最初のデザインがいかに強いものだったか、ということですよね。

なぜ変わらずにいられたか。世の中のライフスタイルにコミットし続けてきたからだと思います。多くの方が商品名を聞けば、あの黄色、英語のタイポグラフィ、四角いパッケージが頭にパッと思い浮かぶはずです。黄色と黒の組み合わせは...

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