デザイナーの活動領域は無限だ。アディダス、ナイキなどのアートディレクターを経て、現在は東京大学生産技術研究所に所属する山崎みどりさんがデザインと周辺領域の融合について解説する。
デザインのプロセスが一番重要だった
ほんとにごめんなさい、とあやまりたいのですが、以前はデザインってなんかかっこいいやつですませていました。それから、英語なんかできるわけないし、死ぬまで勉強せずに何とか逃げ切りたいと思っていました。そんな私が、環境やら運やらに囲い込まれて自分なりのデザインの形を創りたいと思えるようになったのは、何か理由があるのだろうと思っています。
始まりはリーマン・ショックで、当時勤務していた会社の所属部署が突然消滅しました。そしてたくさんの方々と同様に私もいろいろと大変な中、ある日突然留学しようと思いついたのです。その後セントラル・セント・マーチンズというロンドン芸術大学の大学院に無事入学できたのですが、これが私のスタイルを変えた大きなターニングポイントになり、自分を変えてしまうほど新しいことを学ぶことになりました。
大学ですからデザインの評価基準があるわけですが、デザインの仕事を結構経験してきたのに、それがなぜ良いのかが全く理解できないところから私の勉強は始まりました。一番のギャップは...