IDEA AND CREATIVITY
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クリエイター300人調査 これからの働き方白書

働き方の実態は? 6人のクリエイターに現場の本音を取材

アンケートでは詳しく聞けなかった本音をさらに掘り下げるべく、6人のクリエイターの方に取材。今後のビジョンも含めて聞きました。

つくるだけでなくクライアントの目標を叶える仕事をしたい

Q1.2020年、働き方にどのような変化がありましたか。

クライアントからの呼び出しが減ったことが一番大きかったように思います。クライアントが迷われているときに、その悩みを解消するのもCDの仕事。でも、それが1日に2本あれば4時間くらいは潰れてしまう。数十年間あたりまえだった習慣が激減し、コピーライティングや企画にかけられる時間が増えました。

一方で、リモートワークになると人としてのアピールがしにくい気がしています。実はクライアントとの信頼関係は余談や世間話など、一見無駄に思える会話がつくる部分も多いのでは。それが、私のキャラクターやCDとしての能力になり、安心感につながる。だから効率的に働けるようになり制作物の質は上がっても、クライアントの満足度に繋がるとは限りません。

Q2.コミュニケーションが変わり、制作物の表現も変わりましたか。

アイデアを掛け合わせたときに生まれる相乗効果のようなものが生まれにくくなったように思います。リアルだと「ここ良いね」といった話からそのアウトプットの根元にある意図が見えてきて、クリエイティブが発展するヒントになることも。だからそれがなくなると、CDの色や考え方が出すぎる気がします。若手は、完成物だけで評価され、そのアイデアが活かされなくなってしまう。

そこでリモートに限定せず、意図的に出社するようにしました。オフィスにいるとチームのメンバーはもちろん他部署の人とも話せる。雑談大歓迎です(笑)。一般のメディアからも情報は得られますが、同じ業界で働く人と雑談することでしか得られない刺激があると感じています。

Q3.これからはどのようなクリエイティブが必要になると思いますか。

さまざまなツールが発達してきて、自分で動画や広告をつくれると思っている人が増えている気がしています。確かにスマートフォンが1台あれば、動画もつくれてしまう。そうすると「クリエイターって何をする人?」となるのでは。この仕事は、作文が少し上手な人、映像をかっこよく仕上げられる人、だけなのでしょうか。本当のCDの役割は、クライアントの目標を達成するためにはどう動くべきか、設計できる人だと思います。ただつくるだけでなく、クライアントの目標を叶えられるような仕事をしていきたいです。

広告会社
クリエイティブディレクター/コピーライター

50代 女性


ビジョンや哲学を軸に自分たちの目指すデザインをしたい

Q1.2020年、働き方にどのような変化がありましたか。

オンラインによってクライアントとの関係がよりフラットになった気がしています。オフィスにお伺いすると、上座と下座みたいな概念があったけれど、それが無くなり、懐に入り込みやすくなった気はしています。意見をした人がそのまま評価されるわかりやすさもいいと思っています。一方で、Slackで繋がったクライアントの方から、休日も朝も夜も関係なく連絡が来ることがあって……。それに逐一対応すると、大変。クライアントとの距離が近くなった良さはあるけれど、メリハリをつけていく必要性を感じました。

Q2.ご自身の理想像みたいなものには近づいてきましたか。

今後、より世の中がコモディティ化する中で、ブランディングやデザインの必要性が高まり、デザイナーが川上から入っていく「デザイン経営」的な関わり方が必要になると感じています。そういう点で、経営者の方とフラットに話せるようになって良かったなと思います。あと、移動時間が減り時間に余裕が生まれ、作業やインプットにあてる時間が増えたのは、大きかったです。

Q3.2016年に独立されて5年、今後どのように働いていきたいですか。

リモートになってから物理的な距離の壁がなくなり、会社、地域、国など関係なく仕事の依頼をいただけるようになると思います。逆に言うと、同じ社内でも席が近いからといった理由では仕事を依頼されることが減ると思う。そうなったときに声がかかるのは誰なんだろうと考えると、自分ならではの何かがあって、それを伝えられている人じゃないかなと思います。そこに行きつくために、まずは自分たちのビジョンや哲学を持って仕事をしないと迷子になる気はしました。その結果として、自分たちの強みや価値が作られていくのではと思っています。

また、独立すると、自分たちのビジョンや強みを自ら発信していかないといけないことも課題です。SNSが上手な人はそれで仕事が取れるようになるのかもしれないですよね。自分はあまりうまく活用できていないですが……。

今後、僕たちとしては、残るものをデザインしていきたい。時間的にはもちろん、記憶にも残るもの。そして、デザインしたものを通して世の中が少しでも良くなればいいなと。相方と2人で今年会社化をしたので、一緒に目指していきたいです。

デザイン会社/デザインユニット アートディレクター/デザイナー
30代 男性


コロナを機に移住
働き方を決めるのは生き方

Q1.2020年、働き方にどのような変化がありましたか。

一番大きな変化としては、住む場所を変えたことです。これまで和歌山県でフリーランスとして働いていたのですが、仕事が少なく、2020年には実家がある東京で仕切り直すと決めていました。

ただ新型コロナウイルスの感染が拡大して、人口が過密な東京に改めて限界を感じ、その予定は中止。2月には、他にいい場所はないかと、探し始めました。6~7カ所の地域を見学してまわって、決めたのは兵庫県の片田舎。地域おこし協力隊制度を利用し、10月末に引っ越しました。そして現在...

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