企業とクリエイターによる議論を通じて、課題解決の方法を見出していくプロジェクト「CONNECTION LAB」。第一線で活躍する映像クリエイターが集まる「CONNECTION」とともに、ブランドの持つ理念や企業のDNA を明確にすることで、伝達力のあるクリエイティブを生み出しています。第1回のレポートでは、電動工具メーカー マキタの動画制作の裏側に密着しました。
プロユースの製品を展開する総合電動工具メーカー マキタ。同社のブランディングにあたり、2回のワークショップを経て柿本ケンサクさんが映像をディレクションした。
マキタの道具を使う人はヒーロー
近未来を思わせる空間に堂々と存在する、マキタの電動工具「インパクトドライバ」。その貫禄ある姿は、堅牢なボディをまとったヒーローのよう。やがて工具は形を変え、草刈機、チェンソー、運搬車、芝刈機などへ変身していく。実際の使用シーンを想起させる機械音など鋭いサウンドが重なり、臨場感をかき立てる。一連の流れはまさに「トランスフォーマー」の世界だ。
この動画に登場する製品は11種類。すべて同じバッテリーで駆動するというのがマキタの電動工具の強みだ。柿本ケンサクさんはマキタの強固かつ唯一無二の価値として、「オールインワンバッテリー」というコンセプトで映像を制作した。
マキタ 宣伝デザイン室 平松匠さんは「こうした自分たちの強みがブランディングにつながるのだと、発見がありました。開発、営業、管理本部など部署を超えてブランディングに参画する土台づくりができたのも大きかった」と話す。さらに柿本さんは「”オールインワンバッテリー”は機能的価値だけではなく、マキタという会社の企業姿勢や未来のあり方を照らす象徴的なもの」と考えた。
マキタは海外に50もの現地法人を持つグローバル企業だ。マーケティング活動は...