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デザインの見方

サンリオの展開力と「かわいい」の幅

えぐちりか

『いちご新聞』(写真は専用ファイル)/サンリオ

ヴァイナルコレクティブルドールズ Special No.158「DR.ROMANELLI HELLO KITTY ANATOMY ver.(VINTAGE)」/メディコム・トイ

©DR.ROMANELLI
©1976,2009 SANRIO CO.,LTD.

小学生の頃、何かいいことがあると決まって連れて行ってもらえたのが、デパートのサンリオショップでした。お店の世界観もさることながら、グッズの展開に心を奪われていて。当時そこで売っていた「スヌーピー」のグッズが好きだった私は、文房具はもちろん、バッグや机、カーペットに至るまで部屋はスヌーピーだらけでした。

学校で必要なものは全てサンリオショップにある、母はそう思っていたんだと思います。そうそう、プレゼント用にするとおまけにつけてもらえる小さなマスコット(※)が欲しくて、自分用なのにラッピングをお願いすることもありました(笑)。今でもたまに買ってしまうこの『いちご新聞』も、ついているおまけに心惹かれることが多いです。

何かの本で「人は小学校4年生から6年生くらいの頃に没頭していたものを、一生引きずって生きていく」と読んだことがあります。「引きずる」というのは、その人の血となり肉となり、性質に大きな影響を及ぼし続ける、ということだと理解しています。もちろん他にも影響を受けたものはたくさんありますが、小学生の頃、サンリオに没頭していた私の血肉となったのは「ひとつのモチーフの多方面への展開」と「“かわいい”の幅」かな、と思います。

ひとつのモチーフを、プロダクトにインスタレーションに広げていく...

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