スマートフォン向けRPG『Fate/Grand Order』(FGO)は、5周年を記念し日本全国の新聞48紙に30段広告を掲載した。5月4日から7月20日にかけて、エリアごとに6回に分けて実施されたこの企画は、日本全国で話題となり、バックナンバーの購入に関する問い合わせが新聞社に多数寄せられた。
新しい楽しみを提供する
2015年からスタートしたスマートフォン向けゲームFGO。科学と魔術が交錯する世界観で、現実の時間軸とストーリー内の時系列を連動させるという手法で展開されていく。サービス開始から5周年となる2020年は例年幕張メッセで開催しているイベントの規模を拡大し、東京ドームで8月10日に開催予定だった。そこに向けて計画されたのが新聞および屋外広告企画「under the same sky」だ。
「リアルイベントだけで完結するのではなく、継続的に楽しんでいただける企画ができないかと考えていました。その中で、出てきたのが新聞に広告を継続的に掲載する案です。タグライン『under the same sky』には、同じ空の下FGOファン全員で5周年を楽しみたいという想いを込めました。そして、全国版だけではなく、47都道府県の地方紙にそれぞれ出稿することで、自分のそばにコンテンツがあるということとして捉えていただき、全国各地のファンをはじめ多くの方々のコミュニケーションが生まれるきっかけをつくれたらと考えました」とアニプレックス マーケティンググループ 宣伝部4課 金沢利幸さん。
キャンペーンで、目指したのは大きく2つ。ひとつ目は、FGOのファンにゲーム以外の場所での新しい楽しみを提供することだ。金沢さんは「手元に実体を持って残る新聞広告は、ファンにとってグッズのような存在」と話す。もうひとつは、より多くの人にFGOを知ってもらい、遊んでもらうこと。これまでもターゲットに絞ったWeb広告やマスに向けたテレビCMなどは行っていた。しかし、新聞広告の活用は初めてだ。これまでに接点がない層にアプローチできる点も、新聞広告を選んだ決め手のひとつだったという。
ファンに喜んでもらえることは何か
そして、キャンペーンが話題になるには、「情報を途絶えさせないこと」が重要だと金沢さん。「話題がなければコミュニケーションは生まれませんし、コミュニティも自然消滅してしまう。常に...