世界自然保護基金ジャパン、通称WWFジャパン。“人と自然が調和して生きられる未来”を目指し、約100カ国で活動を展開している。その日本支部、WWFジャパンは1971年に設立。現在年間5万人弱の会員の支援を受けながら、日本国内・日本が関係する、国際的な問題に取り組んでいる。
「一般市民の意識改革や行動変容を促す」
パンダのロゴマークで知られるため、野生動物の保護活動のイメージがある──だが、WWFジャパンの活動は他にも、気候危機・海や森を守る、持続可能な社会づくりなど多岐にわたる。そのどれもに共通して求められるのが「一般市民の意識改革や行動変容を促す」ことだ。それを目標に、今年もさまざまな施策を行ってきた。
気候危機の影響をイラストで可視化した「未来47景」(01)、海洋プラ問題の解決を目指す署名キャンペーン「ストップ!ゴーストギア」(02)、かごしま環境未来館とのコラボレーションでSDGsについての対話の様子をポスターにした「SDGsは、誰かに話すことから。」(03)、世界190カ国で消灯アクションを起こす「EARTH HOUR 2020」(04)など。
それらの施策を率いてきたのは、WWFジャパン ブランド・コミュニケーション室 室長 渡辺友則さんだ。大学卒業後はアサツー ディ・ケイ(現ADKホールディングス)でプロモーションやコピーライターとしてクリエイティブに携わった経験をもつ。「企業では商品の売上や利益の増加などが目標になってきますが、我々のビジョンは環境問題を解決すること。どうやったら問題を腹落ちさせて、自分事化してもらい、行動に移してもらえるか、という点を重視しています」(渡辺さん)。