Netflixは10月11日の「国際カミングアウトデー」に合わせ、同5日から「カミングアウト・デー ブランドキャンペーン」を実施。渋谷駅を中心に交通広告を掲出した他、新聞やSNS広告などを展開した。SNSでのキャンペーンに関する投稿のインプレッションは50万を超えているという。


渋谷駅に掲出した交通広告。『FOLLOWERS』『クィア・アイ』『クィア・アイ in Japan!』『セックス・エデュケーション』『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』『ストレンジャー・シングス 未知の世界』『ル・ポールのドラァグ・レース』から、LGBTQのキャラクターの台詞を抜粋して用いた。
自主提案により実現した企画
「Netflix カミングアウト・デー ブランドキャンペーン」のグラフィックには、Netflixオリジナルシリーズから『FOLLOWERS』『クィア・アイ』などの7つの作品それぞれに登場するLGBTQのキャラクターの台詞と、虹色のプレイバーを配している。
実は、自主プレゼンにより実現した企画。仕掛人は電通 コピーライター/PRプランナー 木下舞耶さんと同アートディレクター 矢部翔太さんのコンビ「PROJECT GENDER」だ。「2019年に2人ともカンヌライオンズに参加したことをきっかけにタッグを組みました。矢部がLGBTQ当事者なこともあり、課題意識を元にこれまで多数の企業にダイバーシティをテーマにした自主プレを重ねてきました。今回は当社のOOH局の後輩から、コロナで活用しやすくなったOOHでLGBTQの企画がしたい!と声をかけてもらったことからスタートしました」(木下さん)。
コロナ禍の影響で2020年は春の「東京レインボープライド」がオンライン開催となり、LGBTQのニュースが形成されにくかったことを背景に、10月の「国際カミングアウトデー※」に合わせた施策を企画。“春の東京レインボープライド、秋のカミングアウトデー”という新たなLGBTQモーメントを創出する狙いもあった。
※1988年にアメリカの心理学者 Robert EichbergやロサンゼルスのLGBT活動家 Jean O’Learyらによって制定された。自身の性的指向や性自認をカミングアウトしたLGBTの人々を祝い、人々の認識向上を目指した記念日。
複数社に提案をする中で、プレゼンの場ですぐさまGOを出したのが、Netflixだった。「事前に社会やマイノリティの方々の状況の説明も含めたスライドを用意していたら、当社の営業から『(Netflixの方々は)ダイバーシティに関する意識も高く、知見も深い。ロジックよりも想いで勝負しよう』と助言をもらいました。その言葉通り、前段は3、4枚にしてプレゼンをしたら、すぐにやろうと返事をもらえて。社員が皆当たり前のように課題意識を持っていることがひしひしと伝わってきました」と矢部さん。
「Netflixのコンテンツを見ていると、LGBTQの人々が“One of them(私たちの中のひとり)”として描かれているのが分かります。恋愛モノでも、あくまでたくさんのキャラクターの中の1人、というか。逆に日本の作品は...