ヤフーと電通デジタル、PARTYは9月30日、警察庁から写真や情報提供の協力を受け、指名手配被疑者の過去の写真から現在の姿を予測するプロジェクト「TEHAI(てはい)」を開始した。特設サイトでは5人の指名手配被疑者について、AIによるシミュレーションと体形変化などを加味してそれぞれ9パターンを提示。情報提供しやすいUI・UX設計がされている。
最新のAIで9パターンの姿を生成
本プロジェクトで、ヤフーは広告枠・サーバーの提供やサイト実装を担当。10月から「Yahoo! JAPAN」上のバナー広告や検索結果の表示の適正化などを通じて、特設サイトへのアクセスを促している。一方、電通デジタルは企画制作・アートディレクション・AI開発を、PARTYはクリエイティブディレクション・技術協力・AI画像生成の一部をそれぞれ手がけた。メディア展開としては特設サイトのほか、全国の主要都市の警察署や交番に計1万枚のポスターを配布。11月の「指名手配被疑者捜査強化月間」に合わせた、認知の拡大や情報提供の促進が目的だ。
始まりは2020年2月、ヤフーと電通デジタル、PARTYの3社が警察庁に対し実施した自主プレゼンだ。PARTY エグゼクティブクリエイティブディレクター 中村洋基さん、ヤフー プロジェクトマネージャー 若林慧さんによると「3社のノウハウとメディア・社会・デジタルの掛け合わせによって“嫌われるもの”とされてきた広告を、“好かれる・世の中に役立つもの”にしていきたい」という思いがプロジェクトメンバー一同にはあった。
さらに、「画像加工した写真を発信することが日常化した今、指名手配被疑者の加齢や体形の変化を加味したシミュレーションがもっと広く活用されるべきだという考えもありました」と電通デジタル クリエイティブディレクター 森友佑さんは話す。
そこで今回、最新の深層学習による3種類のAI技術を使用した...