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「ブランデッドコンテンツ」の活用法

事例にみるブランデッドコンテンツの定義と役割

眞鍋海里(PARTY)

経済産業省が補助金制度を導入した「ブランデッドコンテンツ」。本稿では「定義が今ひとつわからない」という人のために、眞鍋海里さんが解説。実際に眞鍋さんがセレクトした事例を用いて、これらのコンテンツがブランドコミュニケーションにおいてどのように機能したかを読み解く。

SPとブランデッドコンテンツの違い

広告の中でもブランデッドコンテンツは、直接的な購買を促すセールスプロモーション(SP)と役割が違います。ブランデッドコンテンツは企業やブランドを好きになってもらうためのもの。ただそれが購買につながらないかというとそれも違います。「好きになってもらう=売ろうとしなくても選んでもらえる。長い間、その商品のファンとなって使い続けてもらえる」ということだと僕は捉えています。つまり長期的に機能していくのがブランデッドコンテンツなので、企業のコミュニケーションを考えるなかですごく重要なものです。

伝える内容も短期的に売るためのSPとは異なります。ブランデッドコンテンツとは「なぜこの商品を売っているのか、誰のためにこのサービスを提供しているのか」といった商品やサービスの背景にある企業の“想い”を発信するものであり、そのブランドの姿勢やメッセージを生活者に届ける“場”という役割を果たしています。ですから、商品というより、企業やブランドが持っている考えやメッセージが主役になります。

「販促とブランディングは両立できないの?」と疑問を持たれる方も多いかもしれません。実際、長年愛されているブランドは、SPとブランデッドコンテンツの両方をうまく使いながらブランドを強くしていく企業が多いのではないでしょうか。ただ、大企業だと担当する部門が異なることがあります。たとえばブランディングにつながる内容は広報や宣伝部、SPに近い部分は営業・販売促進の部門といった役割分担です。そこを一気通貫で実行し、その相乗効果で短期でも長期でも成果をあげている企業は強いと思います。

ここからは「眞鍋が選ぶブランデッドムービー4選」ということで、実際に話題になった動画の事例からブランデッドコンテンツのはじめ方を考えてみたいと思います(4選のうち、ビームスの事例のみ別記事にて紹介)。

大塚製薬「ポカリスエット」

1本目はポカリスエットのWebムービー「ポカリNEO合唱 ボクらの夏 バックストーリー」(2020年7月公開)。高校生たちが主人公のテレビCMの裏側をドキュメンタリーとして見せる7分35秒の動画です。CM自体も素晴らしいですが、僕はCM撮影の裏側を描いたこのバックストーリーがとても好きで。ポカリスエットというブランドが伝えたい「渇きを力に変えてゆく。」というメッセージが、コロナ禍でいつもと違う形でCM撮影に挑む36人の高校生を通じて強く表現されているなと思います。

ブランデッドムービーを、単なるテレビCMの長尺バージョンの延長で捉えると、なかなか上手くはいきません。この「ポカリスエット」の場合、テレビCMでは商品メッセージを正面から伝えつつ、裏側で出演者たちの成長をしっかり描くことでメッセージの強度を増しています。テレビCMと同じくらいこのコンテンツに力を入れているということも伝わってきますし、毎回うるっと涙腺を刺激されてしまう。コピーワークも素晴らしくて、商品への着地をしっかりやりつつも企業が伝えたい思いをきちんと捉えていますよね。ブランデッドコンテンツの使い方が...

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