老舗の繊維商社ヤギが9月16日、抗ウイルス・テキスタイルブランド「VIBTEX(ビブテックス)」の提供を開始。それに合わせて同名で、日本初の“抗ウイルス・トータルウェアブランド”「VIBTEX」を発表し、ECでの販売を始めた。
CONCEPT
素材の魅力を可視化する
アパレルブランド
テキスタイルの価値をアパレルブランドで可視化する
ヤギが開発したテキスタイル「VIBTEX」。繊維上の特定のウイルスの数を減少させるとともに、細菌を減少させることで臭いの発生を防ぎ、かびの発生も抑制する。抗ウイルス素材としてのスペックは高いものの、他にも競合素材が存在し、頭ひとつ抜きん出ることは難しい。しかし、これからの新しい生活様式が求められる時代の必需品になるのではないかと、世の中にその存在を知らしめる方法を模索していた。そこで、そのブランディングを博報堂ケトルに依頼したのが3月のことだ。
博報堂ケトル クリエイティブディレクター 皆川壮一郎さんは、「世の中で今まさに求められている生地ということで、スピード感がとても重要でした」と話す。「そこで考えたのは、まずは一般の方々に向けてある種、市場調査のような形でプライベートアパレルブランドとして発信し、それをプロ市場に導入するという発想です。通常、ブランドを立ち上げるのは一朝一夕ではいかないものですが、ヤギさんに所属するパタンナーやデザイナーの方の協力で、スタートから約半年後の9月16日にローンチ。日本初の“抗ウイルス・トータルウェアブランド”となりました」。
ブランドのコンセプトは、「ウイルスと戦う、すべての世界市民を守る服」。ブランド名は「VIRUS BLOCKING TEXTILE」の頭文字から「VIBTEX」とした。“TEXTILE”の文字からも分かるように、あくまでも生地を売るためのブランドという立ち位置だ。商品は、Tシャツ、パーカー、コート、キャップ、スウェットパンツ、マスク、ショッピングバッグなど全14種類(いずれもユニセックス)で展開する。
2020年の今生まれたブランドが、この素材がいらなくなる社会を目指すことをコピーでも表現する。ウイルスの恐怖からの解放を願って「FOR A WORLD WITHOUT FEAR.」をブランドメッセージに掲げる。ラップユニット chelmicoの2人が登場するキービジュアルも、想いを同じくした多国籍なモデルたちが力を合わせ、ウイルスに立ち向かっていく姿が描かれている。
素材の使い方を想像してほしい
商品、キービジュアルともにデザインは白と青の2色で構成。「あくまでテキスタイルがメインのブランドなので、あまり多くの色は使っていません。この素材についてどんな使い方ができるだろうかと、想像してもらいたいと考えていました。清潔感を象徴する『白』をキーカラーに、手術着など医療機関でしばしば使用され...