直接集まって何かをすることが難しくなってしまった昨今。バーチャルの可能性に期待が集まりつつも、中にはいきなり何をすれば良いのかと、悩ましい方もいるのでは?バーチャルに日々のめり込み、「VRヲタク」とも自称するDentsu Lab Tokyo 末冨亮さんが「案件」になる手前の趣味的な事例をご紹介。
はじめましてはバーチャルで リモート時代の新入社員歓迎会
新型コロナ禍で、一度も出社しないまま、一度も歓迎会がないままにオンライン研修を経て配属が決まった新入社員たち。どこの企業でも同じではないでしょうか?なんとかリモートで歓待すべく、部署の若手メンバーで急遽バーチャル歓迎会を準備しました。いつも実験などに使っているスタジオをバーチャル上にあわてて再現(01)。大量の写真から3Dモデルを生成するフォトグラメトリという手法で大まかな形状の目星をつけて、モデリングを行いました。
余談ですが、カンヌのトロフィーはポリゴン数が多すぎてバーチャル化に向いていません(02)。スパイクスアジアのトロフィーは最高の形状でした。
下準備が整ったところで、モデリングデータを「cluster」という素晴らしいバーチャルSNSプラットフォームに取り込み、部署の方々をお招きします。入口がわかりやすいように建物の前に幹事が立ったり、全員にバーチャルビールが行きわたるように配ったりするなど、現実さながらのオペレーションが求められます。バーチャル空間でイベントを実行するには、バーチャルスタッフが重要なのだと気づきます。よく見るとビールが落ちてしまっている場面もありました(03)。バーチャルといえどクライアントの商品などは絶対に落とさないように今後訓練が必要そうです。
また、乾杯時は目上の方よりグラスの口を少し下げるといったちょっとした飲み会マナーを新入社員に伝えることも、バーチャルならバッチリ可能です(04)。上座下座もしっかり反映することができます。スポーン位置(ワールドに入った時の初期位置)から遠い場所がきっと上座なので今後バーチャル幹事の方はお気をつけください。
余興では、新入社員にまつわるクイズを出題し、間違えると床が抜ける仕組みにしました(05)。大人数でのオンライン飲みだとつい聞くだけになりがちですが、バーチャル会場があるとインタラクティブに各々がリアクションできるので、懇親目的には相性が良かったです。