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BtoB企業のパーパスドリブンなメッセージ開発

技術をもとに人と人とをつなぐことが、製造業の役割

キャステム+メタマテ「meta mate 誠品生活日本橋店」

メタマテのキービジュアル。

20年先も人の心は、変わらない

広島県に本社を構える鋳物メーカー、キャステム。高品質・小ロット生産や海外の自社工場を活用した低コスト生産で、売り上げを伸ばし続けている。しかし、斜陽産業であることは変わらず、20年先の事業の継続は保証できない。そこで、ポケットモンスターやキン肉マンなどとのコラボ商品の販売や野菜、果物の生産・販売など新たな取り組みを始めている。そのひとつが2019年9月、コレド室町テラス誠品生活日本橋店に出店した「meta mate」だ。

「私はもともとキャステムで新規事業担当者として活動していました。その中で請け負ったミッションが、キャステムの新ブランドを立ち上げること。最初に決まっていたのは、金属を活かした事業であることと、BtoCの市場を開拓するために実店舗を出すことだけ。当社に根付く『とにかくやってみる精神』で、見切り発車しました」と話すのは、メタマテ ジェネラルマネージャー長瀬友行さん。

EC全盛の今、店舗にこだわったのには、理由がある。世の中にモノがあふれ、消費者もどこを信用するのが良いか分からない。家賃を払って店を構え、顔を出して商売することは、それ相応の覚悟が必要だ。その覚悟を示しお客さまから信頼を得ることと、店頭でリアルなコミュニケーションをとることを重視した。

そして、売る商品も決まらないまま2018年、メタル(金属)とマテリアル(素材)を組み合わせた造語「メタマテ」という社名で創業した。まず考えたのが、何を売り上げの主軸にするか。自社商品だけを売るのであれば、キャステムと分ける必要もない。そこで、「全国から優れた金属製品を集めたセレクトショップ」というビジョンを掲げ、準備を進めていた。しかし、ECをいよいよローンチするという最中で、「このままではキャステムの事業としてやる意味がない」と考え、いったん白紙に戻した。

「良いものを集めて売るというビジネスは、資金力のある企業に真似されてはかなわない。加えて、世の中はモノを消費しない傾向にある。これから20年先も変わらないものは何だろうと考えたときに、『人から人に贈り合う心』に思い至りました。オーダーメイドで世界にひとつの鋳物を制作できる、当社の強みとも合致します。そこで、『金属を通して人から人へあたたかい想いを届ける』というコンセプトと『ギフト』というテーマで、再スタートしました」。

「meta mate誠品生活日本橋店」。

コミュニティに製造業がどう貢献できるか

メタマテで取り扱う商品は...

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