毎日デザイン賞は三澤遥さん、吉田ユニさんに決定
毎日デザイン賞
デザインの全分野において1年間の傑出した成果に贈られる「2019毎日デザイン賞」(毎日新聞社主催)が決定した。本年度の受賞者は2人、デザイナー 三澤遥さんと、アートディレクター/グラフィックデザイナー 吉田ユニさんに決まった。また特別賞には良品計画+Sensible4の「自動運転バスの提案」が選ばれた。
三澤さんは、目に見えない現象を視覚化する力、「現象から引き出すデザイン」が評価された。選考委員のプロダクトデザイナー 深澤直人さんは「三澤は結末を楽しみにしながら作品を作っている。結末に確信があるのだ。確信がアートを成すのだ。その場で起こっているありのままの様をただ句に詠うことで人にその情景や心情や意味が伝わるというマジカルな伝播。三澤はその伝播を拘りのない表現を用いて仕掛けようとしている気がしてならない」と選評を述べている。
吉田さんは、奇抜なアイデアと見る人を魅惑する表現、特に「センシュアルな写真表現」が評価された。造形作家・批評家 岡﨑乾二郎さんは次のように選評を述べた。「人を惹きつけるイメージはどこか危険の匂いがある。魅惑という語には惑わすという語が含まれ、デザインが人の心を誘いつつも惑わせ躊躇もさせる、つまり際どい駆け引きだったことを思い出させる。吉田ユニの仕事にはこの人を蠱惑する力が仄かに残っている」。
特別賞は、良品計画と自動運転車に搭載可能な、全天候型のシステムを開発するフィンランドの企業Sensible4による自動運転バス。既存の自動車に対するテクニカルな提案ではなく、ドライバーを必要としない自動運転を前提とした公共交通機関、電気をエネルギー源とした新しい社会インフラとしてのバス提案である点が評価された …