新聞の30段のスペースを埋めつくすほどの、桜の花が描かれた広告。これは、九州・西広(現・九州博報堂)の有志が企画して立ち上げた「いまできることプロジェクト」の広告である。
春の歌と桜の映像を届ける
3月27日、西日本新聞に満開の桜が描かれた30段の広告が出稿された。また同日、開設された特設サイトでは、3組のアーティストによる春の歌メドレー(スキマスイッチ、秦基博、GReeeeN)が流れる中、九州各地の桜を集めた映像が公開されている。メッセージは「はやく、世界に春が訪れますように。」。
これは、九州博報堂の営業 茂田智仁さん、村上京助さん、コピーライター岡本和久さんらが中心になって立ち上げた「いまできることプロジェクト」だ。「3月に入ってからイベントが中止になったり、クライアントが広告を自粛したり、社内外で閉塞感がありました。その中で、何かできないだろうかと社内の有志で考え始めました」(村上さん)。また、現在の九州博報堂は4月に事業統合されるまで西広だったこともあり、「西広として最後に何かなし遂げたい」という気持ちもあったという。
3月中旬、福岡をはじめとする九州では桜が見頃のタイミング。そこで企画したのが、「家で楽しむ花見」である。いろいろな方向から企画を考えたが、学校の休校やお花見自粛などが重なったことから、お花見をテーマに決めた...