Y!mobileは、2018年にYouTubeで配信する放課後ドラマシリーズを開始。1作目となる『恋のはじまりは放課後のチャイムから』は再生回数3000万回を超え、2019年に配信した『パラレルスクールDAYS』も再生回数が4000万回を突破した。さらに配信ドラマは小説化、そして映画化までを実現。これまでにない枠組みでのドラマは、「いけす拡張戦略から生まれた」と、博報堂ケトル クリエイティブディレクター 畑中翔太さんは話す。
出演者などで「いけす戦略」を拡張する
Y!mobileの2018年のキャンペーンで僕が提案したのは、YouTubeで配信する放課後ドラマシリーズ『恋のはじまりは放課後のチャイムから』(以下、『恋チャ』)です。これは「リアルライフシンクロ型ドラマ」で、期間中1カ月間毎日16時から配信、さらに登場人物のSNSアカウント(Twitter/Instagram)を用意して、実際の時間に合わせて投稿することで視聴者が同じ時間軸を生きる面白さを演出しました。
ターゲットである中高生は忙しいので、ドラマを見る時間を放課後に設定。YouTuberは毎日同じ時間に動画をアップして視聴者と関係性を深めていることから、このドラマも1カ月毎日同じ時間に配信しようと考えました。ただ、これは人気作品の原作があるわけではなくオリジナルなので、それだけでは見てもらえない。出演者こそが高校生たちが視聴するきっかけになると考え、あえてインフルエンサーを中心に登場人物をキャスティングしています。結果、再生回数は3000万回を超えました。
『恋チャ』がティーン層への話題創出の新しいマーケティング施策になったため、2019年は第2弾『パラレルスクールDAYS』(以下、『パラスク』)を提案しました。プレゼンでは『恋チャ』で成功した資産である「ティーンが没入するドラマコンテンツ」「1カ月毎日配信」「インフルエンサーの出演」の3つは絶対に残しましょうと伝えました。さらに僕が最もアピールしたポイントは、リーチとエンゲージメントを倍増させる"いけす"を拡張させること、です …