エンターテインメント部門大賞に佐藤雅彦氏らの『Shadows as Athletes』
文化庁メディア芸術祭
今年で23回目となる「文化庁メディア芸術祭」の受賞作品が発表となった。本年度は世界107の国と地域から応募された3566作品の中から、部門ごとに大賞、優秀賞、新人賞、ソーシャル・インパクト賞、U-18賞を、世界17の国と地域から応募された46作品の中から、フェスティバル・プラットフォーム賞を選出した。
エンターテインメント部門大賞に選ばれたのは、佐藤雅彦、佐藤匡、石川将也、貝塚智子による『Shadows as Athletes』。日本オリンピックミュージアムに設置された、ウェルカムビジョンのためにつくられた映像作品のひとつだ。
映像は、フェンシングや新体操など、約10種の競技を行うアスリートの影を中心に撮影され、俯瞰または天地が反転した状態で、静かなピアノの音楽とともに展開される。この映像には、アスリートのパーソナルな情報は提示されず、影という限定的な情報しか映し出されない。しかし、鑑賞者が自分自身の想像力を働かせながら鑑賞する仕掛けに加え、ナレーションのないノンバーバルな映像にすることで、この映像のイメージを普遍的なものとした。
審査委員の齋藤精一氏は「メディアという概念が目まぐるしく変化する現在、パソコンやアプリなどは誰もが使えるものになり、高度な編集や制作までできるようになった。私たちはそれを使うのか?それに使われるのか?そのモーメントの境界線上にいるような気がする。今の時代、特にエンターテインメントという分野は新しい"視点"や"可能性"を提示し称賛すべきなのかもしれない。『Shadows as Athletes』にはそんな現代のメディアに必要な視点への気づきが多く含まれていた」と、贈賞理由を述べている。
第23回の受賞作品展は、9月19日~27日に東京・お台場の日本科学未来館を中心に開催予定。
受賞結果
アート部門 大賞
『[ir]reverent:Miracles on Demand』Adam W. BROWN[アメリカ]
エンターテインメント部門
『Shadows as Athletes』佐藤雅彦/佐藤匡/石川将也/貝塚智子[日本]
アニメーション部門 大賞
『海獣の子供』渡辺歩[日本]
マンガ部門 大賞
『ロボ・サピエンス前史』島田虎之介[日本]
エンターテインメント部門各賞受賞
優秀賞
大喜利AI&千原エンジニア/アプリケーション、映像作品/『大喜利AI&千原エンジニア』制作チーム(代表:竹之内大輔)[日本]
amazarashi 武道館公演『朗読演奏実験空間"新言語秩序"』/空間表現/『朗読演奏実験空間"新言語秩序"』プロジェクトチーム(代表:amazarashi 秋田ひろむ)[日本]
CELLMate/映像作品/Solmaz ETEMAD[イラン]
SEKIRO:SHADOWS DIE TWICE/ゲーム/SEKIRO開発チーム(代表:宮崎英高)[日本] …