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2020年代のアートディレクション

ブランディングを通じて 世の中をよくする仕組みを考える

関本明子(HIDAMARI)

2018年7月にドラフトから独立し、「HIDAMARI」という会社を設立した関本明子さん。これまでに、さまざまな企業のブランディングに数多く携わってきた関本さんには「世の中に本当に必要とされるもの、世の中をよくするものをつくっていきたい」という思いがある。

HIDAMARI 関本明子(せきもと・あきこ)
ロゴデザイン・パッケージデザイン・商品開発・店舗デザイン・販促物のデザインなど、グラフィックデザインをもちいて、ブランド・ショップ・商品などの立ち上げから育成のディレクションを行う。東京藝術大学デザイン科卒業、同大学院修了。8ro art & ad、ASYL DESIGN、ドラフトを卒業後、ヒダマリを設立。東京藝術大学デザイン科非常勤講師。

企業がブランドを育てる仕組みをつくる

──関本さんがドラフトから独立した経緯を教えてください。

私はとにかくデザインが好きで、死ぬまでずっとデザインの仕事をしていたい、という気持ちがありました。とはいえ、人生には何が起きるかわからない。万が一何かあってドラフトを辞めることになったとしても、大好きなデザインを続けられる状況をつくっておきたいと、以前から漠然と考えていたんです。具体的に動いてはいなかったんですが、父が入院したことをきっかけに、体力のあるうちに状況を整えておこうと思い、フリーになる道を選択しました。

──独立したことで、ご自身にはどのような変化がありましたか?

いまはデザインだけではなく、仕事の裏側まですべてを自分が把握してコントロールできることが楽しいですね。ドラフト時代からスケジュールを引いたり、進行管理が好きでした。そうすることで、仕事の全体像が俯瞰で見え、先に向けての計画や足りないことが見えてくるので、一つひとつの仕事に対する判断が早くなり、フットワークが軽くなりました。

仕事面では、ドラフト時代から変わらずブランディングに携わることが多いです。当初は商品やロゴのデザインとして受けた仕事でも、「さらによくするには?」と考えると、自ずとブランド全体を考えるようになることが多いです。その中で特に意識しているのは、企業が自分たちのブランドを育てていく仕組みをつくることです。ブランドを立ち上げたり、リニューアルする際にはロゴをつくったり、商品やツールのデザインをしたりと、私が関わる部分はたくさんあります。

でも、ブランドが長くこの先も続いていく中で、私が関わるのはほんの一部。企業は自分たちの理念のもとブランドを育て、商品を継続的に売るなど、世の中での役割を果たし続けるには、利益を出していかなくてはいけないわけですから、アートディレクターの私がやるべき仕事としてはデザインを切り口に、ブランドがきちんと回っていく仕組みを企業の皆さんと一緒につくっていく。それこそがブランディングの仕事ではないかと、最近考えています。

ブランディングに関しては、今までの経験の積み重ねで「日々変化していくものですが、こういう仕組みがあると、モノは売れる。知ってもらえる。世の中になじんでいく」というノウハウが私の中にかなり蓄積されてきました。だから、世の中をよくしていくために考えていることがあるけど、どうしていいかわからないと、もしいま困っている方がいたら、ぜひ私をどんどん活用してください、という気持ちになっています …

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