1872年7月1日に創刊した『山梨日日新聞』は2019年12月3日、創刊5万号をむかえた。それを記念して12月7日付の同紙に掲載されたのがこの広告だ。「堂々と海を愛する、海なし県へ。」「海なし県じゃ、なくなる日。」「海なし県のマグロ信仰。」と、内陸県の山梨を「海なし」とあえて言い換えたコピーは、どのようにしてできたのだろうか。「県民数あたりのすし屋の数が日本ーだったり、マグロやアサリの消費量が非常に多かったり。山梨県の方々の海へのあこがれは強い。つまり、どこの県よりも海を愛せるポテンシャルがあるのでは、と考えました」と話すのは電通のコピーライター渡邊千佳さんだ。
そんな「海なしコンプレックス」をポジティブなものに変換すべく用いられたのが、「海なし県」という言葉。「私も山梨県出身なのですが、県民にとっては、耳にタコができるほど馴染みのある言葉です …