東日本大震災と福島第一原子力発電所の事故で、住民がゼロになった福島県南相馬市小高区。和田智行さんは、コミュニティを再構築し、地域の課題から100の新しいビジネスを生みだそうと奮闘している。

photo by Takumi Ota

小高パイオニアヴィレッジの外観と内部。一般社団法人パイオニズムがオーナーで、小高ワーカーズベースと共同運営している。
住民ゼロからのまちづくり
小高ワーカーズベースを創業した和田智行さんの故郷・南相馬市小高区。ここは、2011年3月11日に発生した東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所の事故により、2016年7月に避難指示が解除されるまで、住民がゼロになった地区だ。和田さんは、住民帰還の呼び水となる事業の創出に取り組む1人。2019年10月末現在は、3635人が小高区で暮らしている。
和田さんは、東京でITベンチャーを起業すると同時に故郷へUターンし、オンラインで仕事をこなしていた。原発事故の発生で、家族とともに会津若松市へ避難を余儀なくされるも、日中の活動が認められると南相馬市へ単身戻り、2014年5月に「小高ワーカーズベース」を立ち上げた …