クリエイターのオフィスを訪ねると、よく見かける、大きな本棚。忙しい仕事の合間に、クリエイターたちはどんな本を読んで、どのように仕事に生かしているのか。今回は、独創的な服を次々と発表し注目を集めているファッション・レーベル「PUGMENT」のデザイナー 大谷将弘さんです。仕事や人生に影響を受けた本について聞きました。
『アーキグラム』
アーキグラム(編)、浜田邦裕(訳)
(鹿島出版会)
展覧会を目前に控え、そろそろ服のデザインを固めて工場に発注しなくてはいけないし、インスタレーションのプランに実現可能性を持たせなくてはいけない時期になってしまった。カチカチに固まった頭で予算表や見積書とにらめっこしていると「なんだか面白くないなあ」ともう一人の自分が囁いてくる。そんな時は必ずMacBookを一旦閉じて、本棚から「アーキグラム」の作品集を手に取る。
1960年代から1970年代初頭にイギリスで活躍した前衛建築家グループ「アーキグラム」。日中は建築設計事務所に勤め実務的な仕事をしていた6人のメンバーが夜な夜な集まっては歩く都市、空に浮かぶ都市なんてものを空想していた …