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感じるブックジャケット(AD)

冬に使ってもらうブックジャケット

タント×矢嶋大祐「KAZAHANA」

電子書籍では得られない紙の本の魅力のひとつが、手触りや質感だ。ブックジャケットをつけられるのも本ならではの楽しさ。このコーナーではさまざまな質感を持つ竹尾のファインペーパーを使用し、そこに多彩な印刷加工技術を掛け合わせることで、触って感じる新しいブックジャケットを提案していく。

青い紙の空を舞う「風花」

イタリア語でたくさん(Tanto)という言葉を由来に持つ紙「タント」が、2019年11月に生まれ変わった。色相×トーンで選べる体系的なカラーチャートを拡充し、従来の150色から50色増え、発色性の高い蛍光色や濁りのない透き通った色、深みを追求した濃色などを含む全200色のラインナップとなった。

「新しいタントのカラーチャートを見たとき、非常に彩度の高い色味から、深く濃い色味まで、その多色ぶりが光のスペクトルのように思えました」と話すのは、矢嶋大祐さん。「その綺麗なグラデーションを見ているうちに、空の色が刻々と変化する様子を、紙の色だけで表現できるのではないかと考えました」。

矢嶋さんが「冬に使ってもらうブックジャケット」のモチーフとして選んだのは、「風花(かざはな)」。晴天時に、風に花びらが舞うようにチラチラと降る雪を意味する。「紙を空の色と見立てて、風花をモチーフに小説のワンシーンを切り取るイメージでデザインを進めました」。

そこで、矢嶋さんは12月からの代官山蔦屋書店での企画展示分も含めて、タントのブルー系の中から7色をセレクト。淡色から濃い色までのグラデーションが、1日の中での空の色の移り変わりを表現している。そこに描かれたのは、さまざまな雪の結晶だ。そして結晶の部分をUVオフセットの白で二度刷りに、結晶のエッジを線状に表現した部分にはシルバーの箔を押し、動きのある風花を表現した。

仕上がりを手にした矢嶋さんは、「風花舞う繊細な情景が綺麗に表現できました。タントは以前からよく手にしていましたが、新しいシリーズの色は濁りが少なく、モダンな印象。色数が圧倒的に増えたことで、使い方の可能性が大きく広がったと思います。例えば同じデザインを色違いで展開したいときにぜひ提案してみたいですね」。

「個展 PROOF」ポスター

「DIC川村記念美術館×林道郎 静かに狂う眼差し―現代美術覚書」制作物

『寺島響水作品集 重重』装丁

    今月使った紙:タント

    イタリア語のtanto(たくさん)から名付けられた、豊富な色数のファインペーパー。2019年11月、発色性の高い蛍光色、にごりのないクリアカラー、重厚感のある濃色など新色50色を加え、全200色となりました。色相×トーンで構築された体系的なカラーチャートから、必要な色を選ぶことができます。

INFORMATION

12月2日より約1ヵ月間、東京・代官山 蔦屋書店2号店1F建築・デザインフロアの<BOOK BOX>コーナーで、本企画に連動した矢嶋さんの展示が始まります。本ブックジャケットのカラーバリエーションもご用意しています。

矢嶋大祐(やじま・だいすけ)
1986年東京都出身。桑沢デザイン研究所ビジュアルデザイン専攻卒業。エヌ・ジー入社。アートディレクター永井裕明に師事、8年在籍。2016年よりフリーランス。東京造形大学グラフィックデザイン専攻領域 非常勤講師。

編集協力/竹尾

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