IDEA AND CREATIVITY
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見る人のモーメントを捉える映像表現

テレビと異なるメディアで機能する映像にいま求められるもの

松尾卓哉(17)/ベルフェイス

タクシーアドやトレインチャンネルで流れている映像として、多くの人に強い印象を残したのが、ベルフェイスのCM。「ヒラメ筋」という言葉で、ターゲット以外の人たちにも強いインパクトを残している。制作者である松尾卓哉さんに、テレビ以外のメディアで流れる映像の考え方を聞いた。

「暴風雨の午後」篇

テレビCMとは撮影・編集方法を変える

営業のアポをした企業へ来た先輩(照英さん)と新入社員。しかし、受付で「担当者の終日不在」が伝えられる。愚痴をこぼす新人に、「チャンスだ!」とつぶやく先輩。鍛え上げられた両足のふくらはぎを披露し「何度も通って恩を売る、それが営業だ!」と熱く語る──。照英さんが登場するCMで「ヒラメ筋」という言葉と共に認知が高まったのは、営業に特化したWeb会議システムを提供するベルフェイスだ。

テレビでもオンエアされているCMシリーズだが、当初は、関東近県の路線バス、トレインチャンネル、タクシーアド用の動画広告として企画された。「ターゲットは、営業職がある企業。オリエンを受けた時に、すぐに"足で稼ぐ"というセリフを思いつきました」と話すのは、このCMを企画した17クリエイティブディレクター 松尾卓哉さん。「足といえば、ヒラメ筋だなと。鍛えている人のふくらはぎは、筋肉がお尻のように割れてかわいい形をしています。ヒラメ筋という言葉と合わせると、営業を極めた人を象徴するビジュアルになれると思いました」。

企画にあたり、松尾さんは、バスや電車のサイネージでも機能する映像を意識して制作した。そのひとつが、画角だ。このCMでは小さい画角に合わせて、全体的に寄りのカットを増やした。「テレビに比べて、車内のサイネージは画角が小さい。だから、見た瞬間にそこに何が映っているのかがわかることが大事です。この1作目では3人の営業マンが並んで足を見せるシーンがありますが、通常引きの画角で撮ることが多いシーンを、テレビCMだったらありえないくらい、寄っています」 …

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