メディアを超えて広がる新しい新聞体験の場
10月15日から始まった「新聞週間」に先立ち、日本新聞協会は協会加盟の84紙が参加する新聞広告統一PRキャンペーンを実施した。本年度各紙で展開されたのは、「#ぺちゃくちゃ新聞広告」だ。
見る人のモーメントを捉える映像表現
クルマを舞台にした恋愛模様と、それを取り巻くアイテムたちに焦点を当てた連続10秒ドラマ「愛の停止線」。15秒でも、6秒でもない、「10秒」というフォーマットとは?
合計再生回数1000万回を越えた連続10秒ドラマ「愛の停止線」。現在、第三弾まで21話が公開されている。
連続10秒ドラマ「愛の停止線」はカー用品・カーメンテナンスの店舗を展開する「ジェームス」(タクティー)で扱う商品をキーアイテムに、1商品につき10秒のストーリーを制作。それを続けて見ることで、1本の恋愛ドラマになるという仕掛けの動画だ。企画を担当した博報堂 クリエティブディレクター/CMプラナー 神田祐介さんは当初のオリエンについて次のように振り返る。「最初に”マスではなくデジタルで認知を上げたい”という相談がありました。とはいえ、Webでバナーを出稿しても、そんなに大きな効果は望めないと思い、動画の制作を提案しました」。
この動画で最も特徴的なのが、「10秒」という尺である。15秒でも、6秒でもなく、10秒を選んだ理由を、神田さんは次のように話す。「いまはYouTubeやInstagram、NETFLIXなど、さまざまなコンテンツが無数にある時代。若い人たちはスマートフォンを見るのが精一杯で、そこには広告が入る隙がないと感じていました。その中でカー用品が次々と出る長尺動画をつくっても見てもらえる確率は低い。でも、10秒だったら"見てもいいかな"と思ってもらえるのではないかと思ったんです」。
10秒の動画を連続して見せることで、ジェームスに揃うカー用品の多様さを見せることができる。さらには、世の中に溢れる動画コンテンツとの差別化にもつながる。「CMプランナーだからこそつくれる動画コンテンツであれば、視聴者にも新鮮に見えるのではないかと考えました」。
連続10秒ドラマは、2018年10月から現在までに21本の動画が公開されている。実は当初、制作本数は決まっていなかった。「製作費から撮影できる本数を逆算すると、2日間の撮影で最大7本でした。そこでクライアントが紹介を希望した商品を見ながらストーリーを考え、最終的に7個の商品を選びました」。カー用品を入れ込むので、必然的に車のシーンが多くなる。そこで、車を使った大人の恋愛ドラマをつくることにした。
主人公は、新しい恋と仕事に揺れ動く部長で、その舞台の多くは長年乗り続けた彼の愛車だ。商品とストーリーを組み合わせていく中で、部長の部下・沙世、部長の元妻・道子、謎の美女といったキャラクターが登場する …