魚偏の創作漢字で釣りの魅力を伝えるこの動画。馴染み深い文字の表現が釣りへの関心を高めてくれる。
「魚偏に◯◯」づくしで、想像力を刺激
モノトーンの海や魚の映像の上に描かれる「鯛(たい)」「鰯(いわし)」などの魚偏の漢字。突如、魚偏に「偽」と書いてルアーと読む謎の漢字【魚偽(ルアー)】が表れ、【魚攻(つり)】【魚前日(たのしみ)】【魚闘(スポーツ)】などの創作漢字が次々に流れてくる動画。これは、DAIWAブランドのカッコよさや釣りの魅力を表現したWeb動画だ。
企画のテーマは、釣りの格好良さを描くこと。しかし、魚釣りの様子を描くだけでは、他のスポーツの中に紛れ込んでしまう。そこで企画したのが、オリジナルの魚偏の漢字をメインにした動画だ。
「魚偏を使った創作漢字で、【魚得魚放(キャッチアンドリリース)】【魚考(つり)】【魚友(しんゆう)】など釣りの魅力を想像させる表現にしました。寿司屋などでよく目にする魚偏の漢字は、釣りをしたことのない人や海外の人にも興味を持ってもらえると思います。もちろん登場する魚も寿司ネタではなく、釣り人が狙う魚として有名なロウニンアジ(通称GT)から一般の人にもよく知られる魚まで登場します」と電通クリエーティブX ディレクターの大岡俊彦さんは話す。
動画は、DAIWAの黒と白のCIからインスピレーションを受け、モノトーンを活かしたスタイリッシュなクリエイティブ。しかし、黒と白だけの表現では、色が分からないため、ぎらついたコントラストのあるカットを中心に構成した。魚の群れや荒波のカットがそのよい例だ。撮影や画像素材の選定は、カラーではなく、モノトーンで映える画を探すために何度も検討を重ねた。色が少ないからこそ、どんな色の魚なのか、どんな天候なのか、想像力が掻き立てられる動画に仕上げた。
制作の面では、クライアントと直で話し合い、自分で企画から制作まで担当することで柔軟に進行できたと大岡さんは話す。「自分が作りたい動画に必要なものだけを撮影し、制作することができました。荒れた海を撮るために、強風の日にカメラを持って海に出かけて撮影したり、進めていた案が難しそうと感じたら変更したりと、無駄な時間を少なくできました」。
クライアントの理解もあり、オリジナル漢字が中心の尖った表現のまま完成したという動画。音楽も尖ったものを1つだけ作ってほしいと依頼し、他の動画ではなかなか聴けないものとなっている。大岡さんはこの動画で、今まで釣りにあまり興味のなかった人にも、釣りに興味を持ってもらえればと考えているという。
- 企画制作/電通クリエーティブX
- 企画+演出+撮影+編集/大岡俊彦
- 音楽/緑川徹
- 作曲/齋藤修治
- ミキサー/中野健太郎
- 水中素材提供/浅岡将史