表参道駅や原宿の交差点に突如現れたラジオエルメスの広告。原宿にラジオステーションを期間限定で開設し、そこからラジオ番組を配信した。世界を代表するファッションブランド エルメスがラジオを通して伝えたかったこととは。
フューチャリスティックなラジオ局
エルメスが東京・原宿にラジオステーション「ラジオエルメス」を9月1日から29日まで期間限定で開設した。エルメスのメンズコレクションの世界観を表現したラジオステーションだ。ラジカセをイメージし、屋上からアンテナが伸びた建物の中には、実際に録音や放送のできる設備を構え、ここから全国にインターネットを通して番組が配信された。
1階には、収録スタジオとたくさんのラジカセを積み上げたインスタレーションのほか、レコードシェルフ、ラジオマシーンが置かれている。2階には、コレクションで使われた生地でつくられたゴールドディスクを展示。エルメスのプレタポルテを着用したアーティストが、日本の美しい場所で演奏を行ったライブ映像をVRで体験することもできる。
本企画のアーティスティック・ディレクターを務めたYOSHIROTTENさんはエルメスから「ラジオ局をつくり、番組を放送する」というテーマを聞いて、すぐに全体のイメージが浮かんだと話す。「学生の頃、いつもラジカセで音楽を聴いていました。今思い出すと、ラジカセはちょっと未来的なデザインでした。そのイメージから、フューチャリスティックなラジオ局をコンセプトにアイデアを広げていきました」。建物の中はできるだけリアルにラジオステーションを再現しながらも、未来感を演出した。
最初に完成したというロゴも、どこか未来的な印象を持つネオン管をモチーフにしている。建物の内外には、ネオン管で制作した大きなロゴを掲げた …