各部門でのグランプリ有力候補だったNIKE「DREAM CRAZY」を押さえて、BURGER KING「THE WHOPPER DETOUR」が三冠に輝いた今年のカンヌライオンズ。社会課題への取り組みがより顕著になっているが、従来のように問題提起にとどまらず、それを実行に移す企業が高く評価される結果となった。

ファーマ部門
Grand Prix
WeChatでできるCOPD診断
中国
GSK GLAXOSMITHKLINE「BREATH OF LIFE」
(McCANN HEALTH, Shanghai)
呼吸器科医や水墨画のアーティストとコラボレーションして制作された、COPD(慢性閉塞性肺疾患)の自己診断ツール。ユーザーは最初に木の形と花の色を選び、次にスマートフォンに向かって息を吐き出すと、肺活量によって花の咲き誇るインクの木が成長する。その結果が70%を下回った場合は、病院への訪問を勧めている。

プリント&パブリッシング部門
Grand Prix
政治情勢に抗議する白紙の新聞
アラブ首長国連邦
AN-NAHAR「THE BLANK EDITION」
(IMPACT BBDO, Dubai)
レバノンの日刊紙『AN-NAHAR』が、レバノンの政治情勢に抗議するべく発行した白紙の新聞。レバノンは政治が停滞し、総選挙に新たな内閣が作れず6ヶ月間も空白状態が続いていた。同紙は、市民がソーシャルメディアを介して自分の見出しを書いたり、政治家にメッセージを送ったりするよう奨励し、"AN-NAHAR"史上最も売れたという …