クリエイターのオフィスを訪ねると、よく見かける、大きな本棚。忙しい仕事の合間に、クリエイターたちはどんな本を読んで、どのように仕事に生かしているのか。今回は、歌舞伎町俳句一家「屍派」の家元 北大路翼さんです。仕事や人生に影響を受けた本について聞きました。
『egg』
egg編集部
(大洋図書)
僕の青春が終わりかけたとき、渋谷にギャルは突然現れた。ミニスカートにルーズソックスだった彼女たちは、日焼けや厚化粧などマイナーチェンジを加えながらまたたく間にセンター街を占拠した。
礼儀を知らぬ舌っ足らずなしゃべり方、チョベリバに代表されるようなイミフ(意味不明のことです。念のため)な言語、派手なだけで画一化したファッション。ニュースで彼女らが取り上げられる度に、僕は不快になった。僕らといっても間違えではないだろう。いわゆる大人は彼女たちを良くは思っていなかった。
でも僕はそれが嫉妬であることを知っていた。彼女らの若さが、明るさが、エネルギーが、エロスが、無邪気さが、すべてが羨ましかったのだ …