全国的な知名度のない和歌山市郊外の加太地区には今、東京大学の分室が置かれ、地域づくりの実験と実践が繰り返されている。住民の熱意に支えられた数々の挑戦が、地域に変化をもたらしている。


東京大学生産技術研究所が加太に設置した分室「地域ラボ」。地元の住民も訪れるハブ拠点となっている
東大生産研が地域ラボを設置
2018年6月、東大生産技術研究所の川添善行研究室は、和歌山市郊外にある加太(かだ)地区に分室「地域ラボ」を開設した。地域ラボは築100年以上の建物をリノベーションしており、そこに常駐して研究活動を行っているのが、東大生産研の青木佳子特任助教だ。
青木特任助教は加太の活性化に向けたフィールドワークや研究活動を行うとともに、イベント開催や学校への出前授業なども行っている。そうした活動において、何よりも大きいのは「加太の人たちの熱意」だという …
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