2019年5月、大坂なおみさんがメディアから投げかけられる言葉に「シー」と返すCMが話題になったNIKE。彼女をはじめとした女性アスリートを起用したこのキャンペーンの狙いとは?
今の日本だからこそのキャンペーン
NIKEが今年、日本で3年ぶりに大規模な「JUST DO IT.」キャンペーンを実施した。キャンペーンでは、プロテニス選手 大坂なおみさんや陸上パラ選手 中西麻耶さんら女性アスリートを起用。渋谷駅、道玄坂、センター街といった渋谷エリアを埋め尽くさんばかりに多くの広告が掲出された。
NIKEは2018年アメリカで、人種差別に抗議した元NFL選手のコリン・キャパニックを起用した「JUST DO IT.」キャンペーンを展開。社会的に話題を集め、数多くの広告賞を受賞した。しかし、日本へはそのまま持ち込まず、新たなコンセプトとビジュアルでキャンペーンを行った。
その背景をワイデン+ケネディトウキョウ アカウントディレクターの鎌田慎也さんは、「たしかにNIKEはグローバルでさまざまなキャンペーンを行っています。しかし今回のターゲットは、2019年の日本を生きる若者と多くの女性。そのターゲット層に響く、2019年の日本ならではの『JUST DO IT.』の表現を目指しました」と話す。押しつけがましくなく、広告を見た人たちが共感できるメッセージとビジュアル。シリアスにしすぎず、カラフルで明るいトーンの色使いで、日常のさまざまな障壁や雑音の中で力強く生きる多くの女性たちを讃え、後押しできるものにしようと考えた。
今回のキャンペーンでは...