気になるあのCMの演出について、ディレクターにインタビュー。今月取り上げるのは、500本の印鑑を使って制作されたアニメーション動画「HANKOGRAPH」だ。

山村さんが描いたアニメーションに使う絵のラフ。
アフリカゾウ絶滅の危機を伝えるアニメーション動画
紙の上に押された印鑑。それが密猟者が持つ銃のスコープへと変わり、サバンナを悠々と歩くアフリカゾウを狙う。撃たれたアフリカゾウは生きた状態のまま顔面を削り取られ、牙を奪われる。野生動物保護団体WILDAIDによって公開されたアニメーション動画「Hankograph(ハンコグラフ)」は、アフリカでのリアルな光景を見る人に突きつける。
この企画の背景にあるのは、象牙捕獲を目的に、アフリカゾウが密猟され続け、今絶滅の危機にさらされていること。日本は国内象牙販売量が世界一で、その80%が印鑑に使用されていること。何より、そういった事実を多くの日本人が知らないこと、である。GREY Tokyoのクリエイティブチームは「印鑑の問題を印鑑によって伝えるアニメーション」を企画。その作画と演出を手がけたのが、山村浩二さんだ。
山村さんとチームがこだわったのは、木製印鑑を紙に押して、1フレームずつ撮影すること。その画像をつないで、2分近いアニメーションを制作した …