テレビで顔を出しては話すことができない人物から赤裸々な真実を引き出すため、司会のYOUと山里亮太がモグラの人形に、ゲストがブタの人形に扮してトークを展開していく人気番組「ねほりんぱほりん」(NHK・Eテレ)。まるで生きているかのように見えるキャラクターたちはどのように生まれてきたのか。
泣いているようにも、笑っているようにも見える表情に
「企画がスタートしたのは2014年の秋頃。顔出しできないゲストの代わりに架空のキャラに喋らせようというアイデアを出しました。宇宙人のような正体不明の生き物より身近な動物のほうがいいだろうということで、"タブー"を語るという語呂合わせからブタが選ばれました。対するMC役は、話を聞く動物ということで、モグラ、ミミズク、ウサギといった候補の中から、"掘る"イメージが強いモグラに決定。いずれも、当初は若い人の気持ちに引っかかるよう、可愛いだけじゃなくて少し毒のあるキャラクターにしたいと考えました」と話すのは、NHK ディレクター 藤江千紘さん。
そこでNHKの仕事も多く、幅広いタッチの作品を手がけてきたイラストレーターの師岡とおるさんやNHKの映像デザイン部の森内大輔さんと共に、初回ゲストである"プロ彼女"と"没落社長"をモデルにデザインを詰めていくことに。この時ヒントになったのはレゴブロックに付属されている人形のフラットな表情だ。
「人形によって性格やキャラを提示するのではなく、世間から色眼鏡で見られがちなゲストたちだからこそ先入観を持たず見てもらいたいということ。また、発言の内容によって笑っているようにも泣いているようにも視聴者が自由に解釈できる余地を残したいということ。その2つの意味合いで、フラットなキャラクターを作ってほしいと師岡さんにお願いしました。モグラのほうは、忖度せず無邪気に切り込んでいく好奇心を、つぶらな瞳で表現してもらいました」(藤江さん) …