世界各国のアパレルブランドから支持を集める生地メーカーが静岡県浜松市にある。従業員7人の古橋織布は、旧世代の織機で作り出す優しい風合いの生地を手がけている。
シャトル織機のシャトル、「杼(ひ)」。これを往復させることで布を織りあげる。古橋織布では古い織機をメンテナンスしながら使用している。
時間のかかる"低速"が強みに変わった
静岡県西部の遠州地方は江戸時代より綿の栽培が盛んで、明治以降は近代的な繊維産業が発展を遂げた。しかし、古橋織布の古橋敏明さんが36歳で代表取締役に就任した頃には雲行きが一変していた。円高が進み、人件費も上昇。大手紡績メーカーから順番に、工場は海外に移転していった …
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