「バランス栄養食」としておなじみのカロリーメイトは2018年、ポーランド出身の女流棋士 カロリーナ・ステチェンスカさんとスポンサー契約を締結。カロリーナさんをアニメーション化したコンテンツなどを通じて、コミュニケーションを展開している。

事の始まりは社内向け勉強会
2018年4月、大塚製薬「カロリーメイト」は日本で2例目となる棋士とのスポンサー契約を発表した。スポンサードしたのは、ポーランドから来日し、プロの女流棋士として活躍するカロリーナ・ステチェンスカさん。それと同時に、カロリーナさんの将棋人生をアニメ化したムービー「すすめ、カロリーナ。」を制作し、「考える人」「夢に向かって進む人」を応援するコミュニケーションを開始した。
そのきっかけは、電通の社内で行われた勉強会だと企画を担当した同社 プランナーの尾上永晃さんは言う。「最近手がけた事例をもとに、デジタルの潮流などに関する勉強会を社内向けに行ったところ、参加していた営業から『担当する大塚製薬の方にぜひこの内容を伝えたい』と相談を受けたんです。実際に伺ってお伝えする中で、一度提案を持って来てほしいとお話いただいたことから始まりました。なので、自主プレゼンに近いですね。カロリーメイトゼリーの認知向上が課題と聞いていたので、まずは『カロリーメイトゼリーはこういう時に効く』というファクトイメージを作っていく提案をしようと考えました」。
受験をテーマにしたコミュニケーションに取り組むカロリーメイトブランドに合わせ、「5大栄養素をバランスよく配合し、ものを考えるシーンをサポートする」というファクトから導き出した題材が「将棋」だったという。
初回のプレゼンを行った当時(2017年)は藤井聡太さんが最年少プロ棋士として話題になり、連勝を続けていた頃。ただ、カロリーメイトゼリーのメインターゲットは女性であるため、女流棋士を探し、商品名と同じ「カロリー」が名前に入ったカロリーナさんにたどり着いた。
「当初は、『"カロリー"メイトゼリーが、"カロリーナ"さんの、"カロリー"サポーターになる』とニュース化することを想定していました。それに加えて、カロリーナさんの写真ギャラリーや両親からの応援メッセージムービー、マンガ『カロリーナ物語』など幅広いアウトプットを考えていました。他にも、将棋百面指しなどもご提案したのですが、大塚製薬さんはコミュニケーションを長期視点で行っているので、カロリーナさんを応援していくことを軸にした今回の企画に決まったんです」と尾上さんは話す …