国賓をもてなす会場のプロデュースにはじまり、個展やフラワースクール主宰、テレビ出演など幅広く活躍する華道家の假屋崎省吾さん。クリエイターとしての発想の原点は何か。

2010年11月、目黒雅叙園・十畝の間
思い切った挑戦が道を広げる
芸術の世界に身を置く假屋崎省吾さんだが、東京・中央区役所の公務員であった父親とOLであった母親のもとに生まれ、石神井の質素な長屋で育った。「両親は、借家住まいで貯金は全くせず、旅行や食事、芸事に惜しみなくお金をつぎ込む人でした。5歳からバイオリンを習わせてもらい、先生が出稽古で家に来ていました。その後ピアノを習い始めたときも、躊躇なく4畳半の部屋に楽器を用意してくれました。両親の共通の趣味が園芸で次第に興味を持ち、花の種を通販で注文し、きれいな花を育てるのが楽しみでした」。
大学2年生の時にテレビでいけばなの番組を見て、教室への入門を決意。「男性の生徒だけの教室に通い始め、2回目に当時の家元に直接指導を受ける機会がありました …