東京都美術館で開催中の「ムンク展」では、さまざまなキャラクター、企業、タレントとコラボレーションしたプロモーションを実施。これまでの展覧会告知とは一味違った展開を見せている。
「プチアートファン」にアプローチ
ピカチュウやイーブイたちが、なぜか「叫び」のポーズで交通広告に登場?「叫び」が2枚並んでいるかと思えば、片方は芸人の小峠英二?そしてこちらは、「カラムーチョ」のヒーおばあちゃん…?開催中の「ムンク展」の縦横無尽のコラボレーション展開が話題になっている。
「叫び」と言えば、世界で最もよく知られる絵画の1つ。今回の「ムンク展」には、初来日を果たすテンペラ・油彩画の「叫び」が含まれており、これが展覧会の目玉だ。プロモーションも「叫び」を前面に押し出すことになったが、懸念が1つあった。誰もがよく馴染んでいる絵画だけに、「叫び」の絵を大きく出すだけでは、「展覧会の告知」だと伝わらない恐れがあったのだ。
この展覧会のマーケティングの全体統括を担当した朝日新聞 企画事業本部の坂口大祐さんは、「『叫び』の来日を伝えるだけでは弱く、それをブーストさせる施策が必要でした。昔のように有名な絵画が来るだけでは、美術展に人は来なくなっています。この展覧会を成功させるには、西洋美術に関心を持つアートファンに加えて、ファッションやデザインなど幅広い領域に関心を持つ『プチアートファン』まで裾野を広げる必要がありました」と話す …