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グッドデザイン賞2018 受賞結果レポート

デザインの未来をファシリテートするグッドデザイン賞

柴田文江(審査委員長)

国内外から集まった作品4789件。その中から2018年ならではのグッドデザイン賞を選ぶために、どのような審査が行われたのか。本年度審査委員長に就任した柴田文江さんは「いまの時代ならではの美しさを追求した」と話す。

審査委員長 柴田文江(しばた・ふみえ)
エレクトロニクス商品から日用雑貨、医療機器、ホテルのトータルディレクションなど、国内外の大手メーカーとのプロダクトを進行中。iF金賞(ドイツ)、red dot design award、毎日デザイン賞、Gマーク金賞、アジアデザイン賞大賞・文化特別賞・金賞などの受賞歴がある。武蔵野美術大学教授、2018-2019年度グッドデザイン賞審査委員長を務める。著書に『あるカタチの内側にある、もうひとつのカタチ』。

審査のキーワードは「美しさ」

──今年の審査で掲げた方針を教えてください。

この数年で、審査委員の年齢が全般的に若くなり、ヒエラルキーがなくフラットな状態で審査に臨める環境が整いました。私は審査委員長を拝命しましたが、最大の役割はみんなの議論を引き出すこと。皆さんは審査委員というより、ワークショップのワーキングメンバーのような感じで審査に臨み、これまで以上に議論が活発になりました。審査の際のキーワードとして、私が掲げたのが「美しさ」です。

この10年で、さまざまなものが「デザイン」と言われるようになり、確かにどれもデザインではあるけれど、Gマークとしてはそのレベルを見極めて、いいものごとを厳選していかなくてはいけない。そんな中、デザインならではのところに立ち戻りたいと思いました。デザインフィールドにいる人には暗黙でわかるものだけれど、わかるからこそあえて「美しさ」というキーワードを掲げ、そのことについて改めて議論をしようと。

従来はどちらかといえば減点法的なジャッジでしたが、「これがあると、みんな幸せだね」「未来がよくなるね」という情緒的な部分をもっと引き出したいと思っていたので、他のソリューションでは使わないであろう「美しさ」という言葉を使うことにしました。審査委員は皆プロなので、単純に「見た目が美しい」「色が美しい」ということではないことは理解してくれて、「コンセプトが純粋である」「平等な視点がある」など、いまの時代ならではの、さまざまな美しさについて考えてくれました。

──4つの領域のグッドフォーカス賞が設けられたり、新たな試みがありました。

デザインが社会課題にどのような解を示そうとしているかを読み解き、発信するための「フォーカス・イシュー」。これまではGマークからの提言という形のみで発信していましたが、今年はそれをグッド・フォーカス賞として具体的に賞に結びつけました。それから、今年はベスト100が決まって次の特別賞を決める時点で、ベスト100プレゼンを行いました。審査委員を4チームに分けて、1チーム25のプレゼンを見て、その結果を他のチームに共有したんです。

間接的ではありますが、審査委員は100の作品のプレゼンを聞くことができました。これがとても好評で、デザイナーとして新しい発見があるのはもちろん、プレゼンに感動して泣きそうになったという声もかなり聞こえてきました …

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