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UP TO WORKS

広告を通して伝えられた、樹木希林さんからのメッセージ


サヨナラ、地球さん。
靴下でもシャツでも、最後は掃除道具として、最後まで使い切る。人間も、十分生きて自分を使い切ったと思えることが、人間冥利に尽きるんじゃないかしら。そういう意味で、がんになって死ぬのがいちばん幸せなのよ。/用意ができる。片付けして、その準備ができるのは最高だと思うの。/ひょっとしたら、この人は来年はいないかもしれないと思ったら、その人との時間は大事でしょう?そうやって考えると、がんは面白いのよ。/いまの世の中って、ひとつ問題が起きると、みんなで徹底的にやっつけるじゃない。だから怖いの。自分が当事者になることなんて、だれも考えていないんでしょうね。/日本には「水に流す」という言葉があるけど、桜の花は「水に流す」といったことを表しているなと思うの。何もなかったように散って、また春が来ると咲き誇る。桜が毎年咲き誇るうちに、「水に流す」という考えかたを、もう一度日本人は見直すべきなんじゃないかしら。/それでは、みなさん、わたしは水に流されていなくなります。今まで、好きにさせてくれてありがとう。樹木希林、おしまい。



あとは、じぶんで考えてよ。
絆というものを、あまり信用しないの。期待しすぎると、お互い苦しくなっちゃうから。/だいたい他人様から良く思われても、他人様はなんにもしてくれないし(笑)。/迷ったら、自分にとって楽なほうに、道を変えればいいんじゃないかしら。演技をやるために役者を生きているんじゃなくて、人間をやるために生きているんです。/代表作?ないのよ。助演どころか、チョイ役チョイ役って渡り歩く、チョイ演女優なの。/自分は社会でなにができるか、と適性をさぐる謙虚さが、女性を綺麗にしていくと思います。/楽しむのではなくて、面白がることよ。中に入って面白がるの。面白がらなきゃやってけないもの、この世の中。/老人の跋扈(ばっこ)が、いちばん世の中を悪くすると思います。/病を悪、健康を善とするだけなら、こんなつまらない人生はないわよ。/死に向けて行う作業は、おわびですね。謝るのはお金がかからないから、ケチな私にピッタリなのよ。謝っちゃったら、すっきりするしね。/"言わなくていいこと"は、ないと思う。やっぱり言ったほうがいいのよ。/こちら希林館です。留守電とFAXだけです。なお過去の映像等の二次使用はどうぞ使ってください。出演オファーはFAXでお願いします。/このように服を着た樹木希林は死ねばそれで終わりですが、またいろいろなきっかけや縁があれば、次は山田太郎という人間として現れるかもしれない。/えっ、わたしの話で救われる人がいる?それは依存症というものよ。

宝島社/企業

今年で20周年となる宝島社の企業広告。蓮見清一社長のインテリジェンスとあふれるエネルギーから、数々の名作が生みだされてきました。今回は、その蓮見社長に佐々木宏さんという隕石(?)がぶつかり、さらに樹木希林さんのご出演によって、2つの広告が生まれました。このスリリングな制作の場に参加させていただけたことを光栄に感じております。
(アサツー ディ・ケイ コピーライター 三井明子)

  • CD/佐々木宏
  • C/三井明子
  • AD/浜辺明弘
  • D/松崎貴史
  • 撮影/矢吹健巳(読売新聞)、内田也哉子氏提供(朝日新聞)
  • クリエイティブアドバイザー/能丸裕幸

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