南青山の住宅街の一角に、木組みがひときわ目を引く建物がある。そこは台湾発のスイーツブランド「サニーヒルズ」の店舗で、訪れる人に落ち着いたひと時を提供する。
農家支援を目的にしたブランド開発
サニーヒルズは、台湾の半導体商社「AIT」の創業者である許銘仁(マイケル)さんが2009年に設立したパイナップルケーキブランドだ。立ち上げの背景には農家支援の目的があり、ケーキは250ほどの農家から無農薬で栽培された果物を買い取り、添加物を使用せずに焼き上げている。
設立当初から海外展開に積極的で、シンガポール、上海に次いで2013年12月に東京・青山にも出店した。店舗の設計は、自然素材の特徴から新たな表現を生み出す建築家の隈研吾さんに依頼。同事務所で働いていた堂園有的(どうぞのゆうてき)さんはサニーヒルズの日本市場責任者に転じた。「隈先生は『負ける建築』といって、自己主張をせず、周囲の環境に溶け込む建物を目指しています …