伊藤忠インタラクティブはデザインの見地から企業活動に入り込み、本質的かつ長期的な支援を行うクリエイティブパートナーだ。
デザインで企業価値を最大化する
伊藤忠インタラクティブ(以下IIC)は、マーケティングとテクノロジーを駆使したクライアントの企業価値最大化をミッションとしている。中でもイノベーションデザイングループは、そこに「クリエイティブ」の要素を加え、ビジネスに新しい価値を提供する。各種制作業務に留まらず、長期的なブランド戦略立案やビジネス創出まで手がけている。クライアントの実担当者はもちろん、ときには経営層と直接コミュニケーションを取ることで、本質的な課題を抽出し、デザインの力であらゆる解決策を講じるのが同グループの特徴だ。
グループリーダーの長岡仁さんは、「Web制作を強みとしながらも、ブランディングやプロモーション、新規サービス企画など幅広く対応しています。ものづくりというよりは大きな意味で"ビジネスをデザイン"するのが僕らの仕事です。ディレクター、コピーライター、デザイナー、フロントエンドエンジニアと職種はさまざまですが、全員が企画屋として職能を超えてお客さまと向き合っています。クライアントと直に話をするから事業や課題を深く理解して戦略を立てられる。多様な人材が企画に携わることは、幅広いニーズに対応できる柔軟性にも生かされています」と話す。
例えば、伊藤忠グループでヘルスケア領域の事業を展開するエイツーヘルスケアの案件では、コピーライターの水谷正紘さんが中心となって戦略を導き出した。「当初、大まかに『ブランディングがしたい』とご要望をいただいていました。ヒアリングしていくと、新薬や医療機器の治験業務を受託・代行・サポートする『CRO』という業種は、(1)競合差別化しづらく、(2)人材流動性が高い業界であるという2つの課題が見つかりました」と水谷さん。そこでインナーブランディングを提案したという。
「社員に満足感とプライドを持って働いてもらうことで、離職防止はもちろん、長期的には社外から見た企業の姿も変わっていくストーリーを組み立てました」(水谷さん)。
同社の、人の命や人生に関わる事業と、社員を大切に考え福利厚生などを充実させる姿勢を「The Life First Company」というタグラインにまとめ、企業ブランド価値を改めて定義した。それを基にブランドブックを作成し、統一のデザインをサイトやオフィスエントランスなどにも展開したという。「ブックは全社員に配布いただき、着実にブランドが浸透してきているようです。お客さまの懐に深く入り込み、長く付き合っていくからこそ、共に企業課題や解決策を掘り下げていける。これがIICらしいパートナーシップだと思います」(水谷さん)。
クライアントのインハウスとして活躍する
企業活動を内側から長期的にサポートする姿勢は、伊藤忠グループ外の企業でも変わらない。Hondaのデザインに対する考え方や取り組みを紹介するWebサイト「Honda Design」では、サイト全体と個々のコンテンツの企画・制作に長期間携わっている。
「Hondaのデザインに対する想いをどのように表現していくか、お客さまと共にアイデアを出し合いながらコンテンツを作り上げています。デザイナーへの取材、プロダクトの純粋な造形美・色彩美にフォーカスした撮影、異業種デザイナーとのコラボレーションなど、企画からアウトプットまで一貫して関わらせてもらっています」とディレクターの福島賢一さん。
最近ではデザイン視点でクライアントビジネスに入り込む姿勢が奏功し、活躍の場に変化が生じてきているという。「経営計画の対外発表プロデュースや、企業イベントに使用する映像制作、イノベーション創出プログラム運営など、仕事の幅が広がっています。デザイナーでもBS・PLが読めるようになるのは他にはない特徴だと思います。商社の血とクリエイティブの知見が混ざり合うことで、経営やビジネスの領域にデザイン視点から提案できるのがIICの仕事の醍醐味ですね」(長岡さん)。
今後は多様な業界で培ったパートナー関係構築スキルを生かし、仕事の深度を高めていくという。ビジネス視点とデザイン視点でクライアントの長期的な企業価値向上に寄与していく。IICはクリエイティブスタッフがビジネスの最前線で活躍するユニークな組織として挑戦を続ける。
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