2015年のコーポレートロゴ刷新を契機に、クリエイティブを強化していくと宣言したサイバーエージェント。同社初のクリエイティブ担当の執行役員である(9月時点)チーフ・クリエイティブディレクターの佐藤洋介さんは、その推進役を担っている。

佐藤洋介(さとう・ようすけ)
サイバーエージェント クリエイティブ統括室 室長。2012年に中途入社。さまざまなスマートフォン向けサービスのデザイナーを統括。現在はクリエイティブ担当の執行役員として、各サービスのUIデザインを監修。
デザインの意識を社内に浸透させる
──2016年にサイバーエージェントのミッションステートメントに「クリエイティブで勝負する。」の項目が加わりました。
PCやガラケーからスマホに主戦場が移り、クリエイティブで勝敗が分かれるようになってきたと藤田(晋社長)は考えています。つまり、気持ちいい体験やデザインのよしあしが、そのままサービスのクオリティとして、ユーザーの満足度に直結するようになった。だからこそ、社員のクリエイティブへの意識を高め、今後出す全サービスをクオリティの高いものに変えなければいけないという意気込みがありました。
その意識を社内外に浸透させる狙いもあり、2015年にコーポレートブランドと「Ameba」ブランドのロゴを、NIGO(R)氏による新しいクリエイティブに刷新したんです。コーポレートロゴをまず変え、それに紐づくあらゆるコーポレートツールのクオリティを上げていくことで、社員の目線も上げる狙いでした。実際、名刺や封筒といったコーポレートツールのデザインもすべて変えたことで、社員のクリエイティブの感度も少しずつ上がっていると感じます。

デザインを刷新したコーポレートツール。
──2017年にクリエイティブ初の執行役員に抜擢されました。藤田さんからはどんな話がありましたか。
直接何か言われたことはないですね。サイバーエージェントは人を抜擢することが得意な会社です。そして、抜擢した先は自分で考えさせます。僕を選んだということは、クリエイティブにもっと力を入れていくということ、そのために必要な決断を任されたのだと捉えています。具体的に言うと、藤田の見きれない範囲も含めてサービスのクオリティを担保し、そのために必要な現場と経営の橋渡しをすることです。会社としては今AbemaTVに注力していますが、既に運用中のサービスも多数ありますし、他の新規サービスもあります …