カンヌをはじめ海外広告賞を自分の企画に生かしている人は、どのように分析・解釈を行っているのか。カンヌにこれまで複数回参加している、電通 嶋野裕介さん、ワントゥーテンデザイン 小川丈人さんTBWA\HAKUHODO 細田高広さんの3人にそれぞれの分析を持ち寄り、話してもらった。
カンヌ受賞作から分析 10の手法・切り口
01.Smart Hacking(Platform Hacking)
02.UnStereotype
03.Redesign Government
04.Branded Social Good
05.Soundize
06.Logomunication
07.Realtime Response
08.Supportership
09.Social Activation Film
10.Mass Mattering
音声を使ったクリエイティブの領域が広がっている
05.Soundize
映像化できない?なら音声化すればいいじゃないか。音声アシスタントの普及などによって、音の領域に広がりが生まれている。
The Times/News UK & Ireland「JFKunsilenced」
J・F・ケネディ幻のスピーチをAIで再現
1963年にダラスで銃弾を受けて倒れたJ・F・ケネディ。当日話す予定だった演説を、入手可能なケネディのスピーチを収集し、生誕100周年となる年にAIを使って大統領自身の声で再現した。クリエイティブデータ部門グランプリ。
The ALS Association「Project Revoice」
ALS患者の声を、テクノロジーの力で取り戻す
音声クローニング新技術を利用し、ALSで声を失った人が、自分の声で再び会話することを可能にした。「ALSアイスバケツチャレンジ」の共同創設者、パット・クインはこの技術で自らの声を取り戻した。グランプリ・フォー・グッドを獲得。
BLU Radio「The Game That Never Was」
永遠に失われたブラジルチームの試合を再現
試合会場に向かう途上で起きた飛行機墜落により、ブラジルのサッカーチーム「シャペコエンセ」の選手たちの命が失われてから1年。その試合を中継する予定だった放送局ブルー・ラジオは、同チームの試合から収集した音声をつなぎ合わせ、90分の試合を再現する追悼企画を行った …