カンヌをはじめ海外広告賞を自分の企画に生かしている人は、どのように分析・解釈を行っているのか。カンヌにこれまで複数回参加している、電通 嶋野裕介さん、ワントゥーテンデザイン 小川丈人さんTBWA\HAKUHODO 細田高広さんの3人にそれぞれの分析を持ち寄り、話してもらった。
カンヌ受賞作から分析 10の手法・切り口
01.Smart Hacking(Platform Hacking)
02.UnStereotype
03.Redesign Government
04.Branded Social Good
05.Soundize
06.Logomunication
07.Realtime Response
08.Supportership
09.Social Activation Film
10.Mass Mattering
プラットフォームを「ハック」する
01.Smart Hacking(Platform Hacking)
Google、Amazon、あるいはスーパーボウルCMなど、既存のプラットフォームを合法的にスマートにハッキングし、自社広告でそのプラットフォームを乗っとり、または他社のコンテンツを巻き込む手法。
P&G「It's a Tide Ad(これもタイドの広告)」
他社のスーパーボウルCMを乗っ取った
スーパーボウル中に放映したCMで、「シミひとつないきれいな服を着ている人物が出ているCMは、すべてTIDEのCMだ!」と主張し、他社CMの"乗っ取り"を宣言。有名なスーパーボウルCMのパロディも制作。フィルム部門グランプリ。
AB INBEV「TagWords」
広告に表示されたワードでグーグル検索すると…?
これまでの歴史の中で音楽祭の支援を続け、さまざまなアーティストに愛されてきたバドワイザー。しかし今年は権利の関係で彼らの写真を広告に使えない。ならばとグーグル用の検索ワードを広告で展開。例えば「1969 musicians sessions Budweiser」と広告に書かれた通り検索すると、ミック・ジャガーとキース・リチャーズがバドワイザー缶を手にしているビジュアルを見つけることができる。アウトドア部門グランプリ。
Kansas City「The Most Well Reviewed City on Amazon」
アマゾンのレビュー欄でちゃっかり街を宣伝
アマゾンの新本社ビルを招致すべく、北米で各都市のアピール合戦が過熱する中、カンザス市長はアマゾンで1000点の商品を購入。すべてに高評価レビューをつけ、そのレビュー文の中にカンザス市のアピールをうまく入れ込んだ …