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あれから10年

シナジーを生むためのデザイン活動

筧 裕介

10年前に新たな活動を始めた人はどんな背景から、どんなことを考えて、自分の場所を築いたのか。そして、この10年間にどんな変化があったのか。今回は、10年前にソーシャルデザインプロジェクト"issue+design"を立ち上げた筧裕介さんです。

issue+design
地域、日本、世界が抱える社会課題(ISSUE)を、市民の創造力(DESIGN)で解決することに挑戦するユネスコデザイン都市・神戸発のソーシャルデザインプロジェクト。2008年に筧裕介さんが立ち上げた。以降、社会課題解決のためのデザイン領域の研究、実践に取り組む。issue+designは、2015年よりNPO法人化した。
Photo:parade/amanagroup for BRAIN

立ち上げ当時の筧さん

この10年は、必要とされる活動だったと実感

──筧さんが10年前にissue+designを立ち上げた経緯を教えてください。

僕は2008年に博報堂で働きながら東京大学大学院の都市計画の博士課程に通っていました。そのときに広告で学んだデザインを商業的な価値以外のところに活用できる可能性があると感じたんです。それで大学院の同級生や仲間と共に「日本が抱える地域課題や社会課題をデザインの力で解決したい」という思いのもと、神戸で「震災+デザイン」をテーマに社会実験のプロジェクトをはじめました。

その後、阪神大震災から15年を経て、神戸市がユネスコの創造都市に認定されました。その記念プロジェクトの立ち上げの際に、神戸市からお声がけいただき、実行委員会をつくって神戸市や博報堂を巻き込んで形にしました。その委員会として10年前に立ち上げたのがissue+designです。

──神戸からスタートした活動は現在、さまざまな地域に展開されていますね。

最初から神戸限定の活動と考えていたわけではありませんでした。でも、当時は「震災+デザイン」というコンセプトをなかなか理解してもらえませんでしたね。活動が認知されるようになったのは、2011年の東日本大震災の時です。阪神淡路のときに企画した、手話やマッサージなど自分ができることを示す「できますゼッケン」を、震災発生後リデザインしてすぐに現地に持って行きました。

また、活動当初から取り組んでいたプロジェクトの一つに、「母子健康手帳」のリデザインがあります。東日本大震災の時、現地の支援に入っていた仲間からの情報で、母子手帳を自宅に置いたまま避難した人がたくさんいることがわかり、そこでこの手帳を無償提供しました。こうした活動が、issue+designを世の中の人に知っていただくきっかけになりました …

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