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心に残ったプレゼン術

商品への愛着を感じる切り口の案を採用

テーブルマーク 中川以久子



テーブルマークは5月12日から、約5年ぶりとなる冷凍うどんの新テレビCM「コシを愛する人」の放映をスタートした。このCMでは銭湯やプールサイドを舞台に、俳優の松山ケンイチさんが冷凍うどんのコシの強さを子どもに向かって懇々と語るシーンが描かれている。

今回のCM展開の背景には、冷凍うどんの販売における長年の課題があるとテーブルマーク マーケティング&セールス戦略部の中川以久子さんは言う。「冷凍うどんの販売は冬が好調ですが、夏に課題があります。夏場はそうめんや冷やし中華など他の麺類の選択肢が増えるだけでなく、うどんの中でも"冷凍"うどんを選んでいただくという点でハードルが高いのです。今年は新潟の新工場が稼働することもあり、久しぶりにテレビCMを放映して夏のプロモーションを実施することになりました」。

制作は同社の他の商品キャンペーンも手がける電通に依頼。オリエンでは訴求したいポイントを「冷凍うどんのおいしさ」と「レンジ調理できる手軽さ」の2つにまとめて示した。それを受けてプレゼンでは「夏バテ防止」「コシの強さ」「貯蔵性」と3つの方向性が提案された。社内では、「冷凍ならではのおいしさの訴求として『コシの強さ』を切り口にするのは、よく商品を理解してくれている」と好意的な反応があり、「コシの強さ」をポイントにした今回の案が採用された。

シズル感を前面に出すと、うどんを選ぶ理由にはなっても、"冷凍"うどんを選ぶ理由にまではならない …

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