資生堂は、世界88の国と地域で展開するブランド「SHISEIDO」の美容液「アルティミューン」のリニューアルキャンペーンとして、発売記念イベントを世界各地で開催した。広告モデルには、ダンサーの菅原小春さんを起用している。
世界共通のイベントガイドラインを作成
2014年に、魚谷雅彦社長によるマーケティング改革の第1弾として立ち上がったブランド「SHISEIDO」。そのブランドを象徴する美容液が「アルティミューン」だ。肌本来の美しさを引き出す独自価値が世界中で支持され、3秒に1本のスピードで売れるヒット商品となっている。
初のリニューアル発売となる6月1日には、世界7の国と地域(日本・フランス・アメリカ・香港・台湾・シンガポール・タイ)で、記念イベントを同日開催した。日本では、表参道ヒルズのSPACE Oを会場に、広告モデル菅原小春さんをゲストに迎えて開催。インフルエンサーやメディア関係者など約370名が訪れ賑わった。
会場はいずれも赤で統一され、サークル(円)をモチーフにした舞台が設けられている。サークルのモチーフには、「日本」や「インナーディフェンス(内なる強さ)」のイメージが投影されている。実はこの「世界複数箇所で同日・同コンセプト」のイベント開催が実現したのは、同ブランドは今回が初となる。「過去何度もトライしてきて、やっと実現できました」と資生堂 クリエイティブディレクターの三浦遊さんは話す。
実現の鍵となったのは、社内のイベントガイドラインの開発だ。今回ほどディテールをしっかりと記したのは初めてだった。「サークルの舞台のスケッチ、カラーリング、空間ゾーニング、ハッシュタグの設定、ケータリングの考え方など、イベント開催時にこれだけは必ず押さえてほしいポイントが書かれたガイドラインです。それを各リージョンに渡し、あとは各地で会場探しから空間演出、ダンサーのアテンドまで一任しています」(三浦さん)。
その結果、ブランドの一貫性を保ちつつも、各地の文化や嗜好性を反映したイベントが展開できた。三浦さんは以前ニューヨークやパリの資生堂オフィスに駐在しており、その経験が生きたという …