ZOZOSUITをはじめ、テクノロジーの力でファッションの世界に変革をもたらそうとするスタートトゥデイ。同社では、今年4月に新会社「スタートトゥデイテクノロジーズ」を設立した。同社のクリエイティブを担うエンジニアが一箇所に集まり、新たな事業や技術を生み出す同社の創造拠点だ。
グループ3社が統合したファッションテック企業
今年4月に設立された「スタートトゥデイテクノロジーズ」は、ZOZOTOWNのシステムやコミュニケーション開発を担当していた「スタートトゥデイ工務店」、ファッションコーディネートアプリ「IQON」を運営していた「VASILY」、九州工業大学発ベンチャーでファッション関連の業務システム構築などを得意とする「カラクル」の3社が統合して生まれた。ZOZOTOWNなど主力事業のインハウスクリエイティブの機能を持ち、さらに新規事業の開発や、R&Dの役割も担う。
スタートトゥデイテクノロジーズ 代表取締役CIO(チーフ・イノベーション・オフィサー)の金山裕樹さんは、統合の理由を次のように説明する。「攻守両方の理由があります。攻めの理由として、3社はいずれもエンジニアリングとデザイン力に強みを持った会社だったので、ノウハウや技術の交流を含めて一丸となって新しいものを作ったほうが生産的だと考えました。守りの理由はセキュリティ観点で、スタートトゥデイは大量の個人情報を持っており、今後はZOZOSUITで体型データなどの情報も扱います。3社共通のセキュリティ基準でリスクヘッジしていく必要がありました」。
スタートトゥデイテクノロジーズが掲げるミッションは「70億人のファッションを技術の力で変えていく」だ。「ファッションをもっと誰もが楽しめるものにしたいと考えています。洋服は毎日着るものにもかかわらず、ファッションに対して自信が持てない、コンプレックスを持っているという人がたくさんいます。自分たちは服を着る、服を買うという日常の行為を、テクノロジーの力でポジティブなものにしたい。そこに可能性を感じている人が集まっているのがこの会社です」。
オフィスを青山に構えたのも、”ファッションテック“の企業だからこそ。青山はファッションの中心地であり、渋谷や六本木などIT企業の集まるエリアにも近いことから最適と考えた。
本気でビジョンに共感した人が集まっている
同社にはエンジニア、プロデューサーやアナリストなどの職種がある。全体の約6割がエンジニアで、フロントエンド、バックエンド、インフラ、データサイエンティストに分かれている。プロデューサーは企画、ディレクション、進行管理、プロジェクト管理を行う。デザイナーはユーザ体験の設計とUI、グラフィック制作を担う …