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仲畑 貴志さんが語る「東池袋52CM」制作の裏側

仲畑貴志

いま世の中で話題になっているCMをつくっている人たちはどのように企画を考え、映像を作り上げているのか。今回は、クレディセゾンの「東池袋52」で話題を集めた仲畑貴志さんにお伺いしました。

(左)ゲスト・仲畑貴志(右)聞き手・足立茂樹

プロは塁に出て当たり前

足立:なぜ「東池袋52」という女性グループを結成しようと考えたのでしょうか?

仲畑:秋元康さんが欅坂46の『二人セゾン』という曲を出していたから、"セゾン"繋がりで何かできないかと思ったのが発端です。でも既成の曲を使うとお金がかかってしまうので、それならこっちでつくっちゃおうと。東京・東池袋 サンシャイン60の52階に本社を置くクレディセゾンと関係会社全社員の中から歌って踊れる24名の女性メンバーを選んで、『二人セゾン』へのアンサーソングとして、洒落でつくったのが『わたしセゾン』です。

彼女たちは普段、営業やデスクで働いている完全なる素人。上司からすれば、「部下が駆り出されて、踊ったり歌ったりしているらしいけど、何やってるんだ!」って迷惑極まりない話ですよね(笑)。でも、完成した動画はYouTubeの再生回数が100万回を超えて、高い広告効果を得ることができた。「私も踊りたい」と面接に来る学生が増えて、採用面でも効果があったようです。個人的にはこの仕事を通して「Webの使い方」が少しわかった気がします。

足立:Webと普段手がけている広告の違いはどんなところにありますか?

仲畑:Webはある種トリッキーな部分があるほうがよくて、さらに「フック」をたくさんつけておくことが重要かな。ただ、僕は普段の広告でも何か足りないと感じたときは、よくその手法を使っています。広告が滑ってしまうと、クライアントに申し訳ないから、心配なときはフックをいっぱいつける。

例えば「サントリーゴールド900」のCM(1976年)では、野坂昭如さんが、「♪~ソ、ソ、ソクラテスかプラトンか、トントンとんがらしの宙返り~」と、意味不明なコピーを歌っています。このCMではそういうフックをたくさんつけたのですが、世間の人たちが引っかかったのは「みんな悩んで大きくなった」という、僕にとっては想定外の言葉だった(笑)。

フックを多用すると雑然とした表現になるけれど、僕らは広告のプロ。必ずヒットさせるという使命があるのだから、見苦しくてもデッドボールでも何でもいいから、必ず塁に出ることが大事なんですよ。

足立:これまでの仕事で、例えばコスモ石油の「ココロも満タンに」というコピーはどのようにして生まれたのでしょうか? …

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