赤瀬川原平のパロディーとユーモア
これまでデザインに関して、たくさんの人やものから影響を受けてきました。その中でもデザインに対する態度で最も影響を受け、今もたびたび思い出すものがあります。それは、前衛芸術家の赤瀬川原平が1970年代に週刊誌『朝日ジャーナル』(朝日新聞社)で連載していた『櫻画報』です。
デザインの見方
美大を目指して浪人している頃、時々東京の書店に行って、デザインの本を何時間も見ていました。それは僕にとって楽しみの時間でもあり、情報収集の場でもありました。あるとき目に留まったのが、立花ハジメさんのデザインによる「Swatch」の時計。盤面やバンドがタイポグラフィだけで構成されているのですが、文字のエレメントが重ねられていたり、文字そのものが歪んでいたり⋯。これは以前に雑誌で見たことがあり、鮮烈な印象が残っていたものでした …